企業内での活用も視野に
『マイノリティ・リポート』の世界は既に実現 ビーコンがビジネスを変える
ビーコンがわれわれの日々の生活に浸透するにつれ、この技術が企業のIT部門にどのように影響を及ぼすかが明らかになってきた。
ビーコン技術はさらに普及し日々の生活の一部になっている。企業システムとの統合というビジネスチャンスが増えることで、その未来は今まさに到来した。
無線周波数認識センサーは、1970年代から企業で使用されている。移動する資産を追跡し、小売店から品物の盗難を防ぐのに役立ってきた。今日ではさらに、企業がビジネスを行う上で顧客と交流する方法を一変させる新しい技術を目の当たりにしている。
映画『マイノリティ・リポート』で、主人公が小売店に足を踏み入れ、1カ月前に彼が購入したブルージーンズを気に入ったか尋ねる空からの声に驚かされるシーンがある。ここで理解すべき重要な部分は、このイベントはほとんど受動的だということだ。主人公はシステムにログインもしておらず、ボタンを押すことも、クレジットカードを機械のスロットに通すこともしていない。彼はただその店に足を踏み入れたにすぎない。
2015年に、その作り話はビーコン(またはiBeacon)と呼ばれる非常に小さく単純なセンサーによって現実のものとなった。ビーコンは25セント硬貨と同じくらい小さく、通信用のBluetooth Low Energyと非常に小さなプロセッシングチップを搭載し、(ほとんどの場合)単純な時計用電池で駆動する。
ビーコンは、ブロードキャスト信号を半径約100フィートの範囲内に効果的に送信することのみ可能な、非常に基本的なデバイスだ。ビーコンは主に2つの固有のID情報を送信する。1つはデバイスの位置情報を、もう1つはイベントを発生させる特別なコードを受信デバイスに供給する。受信デバイスはスマートフォンやタブレット、ウェアラブルデバイスでもよい。
既に小売市場ではビーコンの到来を目の当たりにしている。例えば、Bluetoothが使用可能な米Appleの「iPhone」を持った顧客が入店すると、店のアプリからビーコン技術により配信されるセールについてのプッシュ通知を受け取る。
ここ2、3年のうちに、われわれのあらゆる生活面でビーコンが見られるようになった。それは顧客が直面するサービスに関してだけではない。作業を最適化する目的でビーコンベースの資産追跡技術を使用するのには、明白な利点がある。例えば、組織が出荷する小口貨物にビーコンを投入し、物流の行程全体に渡って動きを追跡し情報を提供することもある。
米Robinは、ビーコンを使用する会議室管理技術を提供している。同社が提供するソフトウェアは、利用者が会議室に入室したときに、自動的に電話の呼び出しまたはオンラインミーティングを開始し、その人の出席状況を「会議中」に変更する。会議が終了して利用者が会議室を離れると、ステータスは「利用可能」になり、次の会議の準備が完了した状態にリセットされる。
この技術で人のあらゆる動向を追跡させることは、いささか恐ろしい考えだ。スマートフォンには個人データをセキュアに保持する機能があり、ビーコン技術と併用することにより、われわれの日々の生活に利便性を加えている。ビーコンがより普及するにつれ、顧客も企業も一様に、時間とお金を大幅に節約することが可能になるかもしれない。
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