「ユニカーネル」では、OSをコンパクトにして無駄を省くことで、アプリケーションのパフォーマンスとセキュリティが向上することを目的としている。だが、この新技術が全てのアプリケーションに適しているわけではない。
OSをコンパクトにする「ユニカーネル」とは、特定のOS機能をアプリケーションの中に直接コンパイルする手法だ。コンピューティングリソースの節約、パフォーマンスの向上、セキュリティの改善といったメリットを提供する。
標準的なエンタープライズクラスのOSは非常に巨大で膨大な機能を組み込んでいるが、実際のアプリケーションが必要とするのは、これらの機能のごく一部にすぎない。使わない機能は貴重なコンピューティングリソースを消費するが、こうした無駄をなくせば、仮想マシン(VM)を追加して、“浮いた”リソースを有効に活用できるはずだ。
従来型のOSは、ユーザーインタフェースの提供、システムを構成するハードウェアの検出と調整、ハードウェアによるアプリケーションの起動とサポートといった機能を備える。これらのコンポーネントはDLL(Dynamic Link Library)および各種ドライバと連係して、アプリケーションがリソースを消費する前に、大量のシステムメモリ、CPUの動作クロックおよびストレージ領域を必要とする複雑なOSプラットフォームを構築する。仮想化環境では、各VMが個々のOSインスタンスとともに動作するため、必要とするリソースが大幅に増加する。
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