2015年3月に存在が明らかとなった、MicrosoftのNano Server。Microsoftの戦略とコンテナ化が進む市場動向から、同OSがなぜ必要だったのかを解説する。
多くのデータセンターやクラウドインフラがOSとしてLinuxとWindowsを選択する。LinuxはWebスケールの新興企業で多く好まれ、Windowsは企業が自社のワークロードの実行に使用する傾向がある。
本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 5月7日号号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。
なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。
だが、最近の幾つかの動きにより、Linuxのサプライヤーはアーキテクチャの見直しを迫られている。2つの主要なLinuxディストリビューション、Red Hat Enterprise LinuxとUbuntuは、多くの変遷を経て、Webスケールのワークロード実行に最適化された軽量OSとなっている。
米Microsoftのプレゼンテーションスライドが流出し、オンラインで公開されたという2015年3月初めのニュースにより、Microsoftが「Nano Server」というWindows Serverの簡易版をビルドして、同様の製品を投入しようとしていることが明らかになった(訳注)。このスライドでは、Nano ServerはWindows Serverのヘッドレス展開オプションであり、「次世代のクラウドインフラとアプリケーションの核となる」としている。
訳注:2015年4月8日、Windows Server Blogにて公式に発表された(日本語訳)。
さらに、Nano ServerはWindows Serverの2016年版リリース時に公開予定だが、Microsoft Technology Adoptersプログラムのメンバーは2015年前半に入手できるようになるだろうとも示唆している。
MicrosoftがNano Serverの導入を決めた理由は容易に想像できる。Windows Serverは、Webスケールのアプリケーションを実行するOSとしては大きすぎるのだ。
Windows Serverベースの仮想マシン(VM)は、LinuxのVMよりも起動に時間がかかる。
トラフィック量が増えるにつれて、管理者は新たなVMのブート時間が短くなることを望むが、変化の大きいワークロードにとってWindows Serverは最適なOSではない。
再起動の回数は通常、新しいソフトウェアパッチやセキュリティ更新プログラムに応じて増えるため、アプリケーションの稼働時間にも影響を及ぼす。
アプリケーションにとって重要ではないコンポーネントやサービスの追加により、Windowsのフットプリントが徐々に増加し、マルウェアやウイルスの攻撃対象領域が広がる。
さらに、VMイメージのサイズが増えれば、プロビジョニング中にネットワーク帯域が圧迫される。こうしたことも、MicrosoftがWindows Serverの簡易版を導入することにした理由を説明する根拠となるだろう。
本記事は抄訳版です。全文は、以下でダウンロード(無料)できます。
■Computer Weekly日本語版 最近のバックナンバー
Computer Weekly日本語版 4月15日:スマートウオッチの業務利用
Computer Weekly日本語版 4月1日号:実用化が進むバーチャルリアリティ
Computer Weekly日本語版 3月18日号:コンピュータ教育最大の課題は?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
「ファクトチェック廃止」の波紋 Metaにこれから起きること
Metaがファクトチェックの廃止など、コンテンツに関するいくつかの重要なルール変更を行...
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年1月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...
「非常時にピザ1枚無料」のデータがドミノ・ピザのマーケティングに生む好循環とは? CMOに聞く
2024年10月にDomino'sのチーフブランドオフィサーからエグゼクティブバイスプレジデント...