Microsoft「Nano Server」はなぜ生まれなければならなかったのか.NET実行環境の主流がLinuxになる!?

2015年3月に存在が明らかとなった、MicrosoftのNano Server。Microsoftの戦略とコンテナ化が進む市場動向から、同OSがなぜ必要だったのかを解説する。

2015年05月12日 08時00分 公開
[Janakiram MSVComputer Weekly]
Computer Weekly

 多くのデータセンターやクラウドインフラがOSとしてLinuxとWindowsを選択する。LinuxはWebスケールの新興企業で多く好まれ、Windowsは企業が自社のワークロードの実行に使用する傾向がある。

Computer Weekly日本語版 5月7日号号無料ダウンロード

本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 5月7日号号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。

なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。


 だが、最近の幾つかの動きにより、Linuxのサプライヤーはアーキテクチャの見直しを迫られている。2つの主要なLinuxディストリビューション、Red Hat Enterprise LinuxとUbuntuは、多くの変遷を経て、Webスケールのワークロード実行に最適化された軽量OSとなっている。

 米Microsoftのプレゼンテーションスライドが流出し、オンラインで公開されたという2015年3月初めのニュースにより、Microsoftが「Nano Server」というWindows Serverの簡易版をビルドして、同様の製品を投入しようとしていることが明らかになった(訳注)。このスライドでは、Nano ServerはWindows Serverのヘッドレス展開オプションであり、「次世代のクラウドインフラとアプリケーションの核となる」としている。

訳注:2015年4月8日、Windows Server Blogにて公式に発表された(日本語訳)。

 さらに、Nano ServerはWindows Serverの2016年版リリース時に公開予定だが、Microsoft Technology Adoptersプログラムのメンバーは2015年前半に入手できるようになるだろうとも示唆している。

なぜ今Nano Serverなのか

 MicrosoftがNano Serverの導入を決めた理由は容易に想像できる。Windows Serverは、Webスケールのアプリケーションを実行するOSとしては大きすぎるのだ。

 Windows Serverベースの仮想マシン(VM)は、LinuxのVMよりも起動に時間がかかる。

 トラフィック量が増えるにつれて、管理者は新たなVMのブート時間が短くなることを望むが、変化の大きいワークロードにとってWindows Serverは最適なOSではない。

 再起動の回数は通常、新しいソフトウェアパッチやセキュリティ更新プログラムに応じて増えるため、アプリケーションの稼働時間にも影響を及ぼす。

 アプリケーションにとって重要ではないコンポーネントやサービスの追加により、Windowsのフットプリントが徐々に増加し、マルウェアやウイルスの攻撃対象領域が広がる。

 さらに、VMイメージのサイズが増えれば、プロビジョニング中にネットワーク帯域が圧迫される。こうしたことも、MicrosoftがWindows Serverの簡易版を導入することにした理由を説明する根拠となるだろう。

これまでの流れ

ITmedia マーケティング新着記事

news135.jpg

インフルエンサー×タテ型動画広告の効果を最大化 電通デジタルが「ヒト×タテMarketing framework」を提供
電通デジタルは、インフルエンサーを起用したタテ型動画広告施策において、企画から実行...

news096.jpg

NIKE vs. HOKA ランニングシューズ市場での熱い戦いの行方は?(無料eBook)
市場リーダーのナイキやアディダスの業績が振るわない一方で、「HOKA」など新興ブランド...

news037.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2024年10月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。