ストレージ業界で何が起きているのか? 巨額買収だけではない大激変の“予兆”オールフラッシュ軸に進む業界再編(1/2 ページ)

2015年はデータストレージ業界にとって変化と新技術に富んだ1年となったが、中でも最大のディスラプション(創造に向けた破壊)は米Dellによる670億ドルでの米EMCの買収だった。

2016年01月14日 12時00分 公開
[Dave RaffoTechTarget]
DELL×EMC 買収に合意し握手をする米EMCのジョー・トゥッチ会長兼CEO(左)と、米デル会長兼CEOマイケル・デル氏(右)(出典:Dell)《クリックで拡大》

 データストレージ市場の状況は2015年の年初と年末では大きく様変わりしている。

 ストレージ業界では2015年、「変化」と「ディスラプション」(創造に向けた破壊)というキーワードが繰り返し語られたが、それも無理のないことだ。2015年は実にさまざまな変化が起きた1年であり、ストレージ業界は年始と年末では考えられないほど大きく変化した。

 第一に、ストレージの世界的な大手数社は1年前とはかなり異なる状況で2016年を迎えた。長年文句なしの業界トップだったストレージ大手の米EMCは米Dellの傘下に入り、Dellによる670億ドルでの買収の完了を待つ身だ。さらに2015年には、米Symantecが米Veritasを売却し、米Hewlett-Packard(HP)は事業を2つの企業に分社化。米NetAppは最高経営責任者(CEO)を交代し、オールフラッシュストレージのスタートアップ企業を買収した。大手ベンダーのストレージ売上高は軒並み減少し、ディスクからフラッシュへの置き換えが加速し、オンプレミスストレージからクラウドへの移行も進んでいる。また2015年初には、フラッシュやクラウド、ハイパーコンバージェンス(超垂直統合)などのスタートアップ企業はベンチャー資金の確保に苦労しなかったが、年末にはベンチャーキャピタルが財布のひもを引き締める傾向がみられた。

EMC買収の背景にあるストレージ購買パターンの変化

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