低価格になった「アプリケーションデリバリーコントローラー」、最適の1台を選ぶポイントは仮想ADCも視野に検討を(1/2 ページ)

アプリケーションデリバリーコントローラーは、幅広い分野の企業に必要不可欠なデバイスへと進化している。しかし、ユーザー企業の規模に合わせた最適な製品を選ばないと「コストの無駄遣い」になりかねない。

2016年09月13日 15時00分 公開
[Kevin TollyTechTarget]
登場当初は高価だったADCも汎用プロセッサで動作可能となって安価な製品も登場している。写真はCitrixの「NetScaler MPX」

 「Amazon.com」や不動産業者の「Zillow」など、名前がAからZで始まるお気に入りのWebサイトを挙げてみてほしい。それから、そのWebサイトの背後にトランザクションを処理する準備が整っているWebサーバを何台設置しているかを考えてみてほしい。数十台、それとも数百台だろうか。

 ……と質問しておきながら申し訳ないが、幸いにも、ユーザーはその数を把握する必要がない。サーバの台数を把握する必要がない理由は、アプリケーションデリバリーコントローラー(以下、ADC)がユーザーとWebサーバの間に入っているからだ。ADCは、ユーザーと多数のバックエンドサーバとの間で発生するトラフィックを制御把握することで、ユーザーへのWebアプリケーションの配信を管理している。

 ADCが登場した当時は、ADCへの処理要求が膨大であったため、多くのベンダーがASIC(特定処理用途のためにカスタマイズした集積回路)を開発して処理を行っていた。その結果、コストは高くなり、ADCは小規模な企業にとって価格が高すぎて手が出ないデバイスとなってしまった。

 しかし、現在はプロセッサの処理能力が飛躍的に向上している。加えて演算処理のアルゴリズムも改善したADCはソフトウェアで処理を実現できるようになった。この2つの進化によって、ADCの機能はコストパフォーマンスが高い汎用(はんよう)プロセッサを搭載した安価なデバイスでも実行できるようになっている。

 この進化は、企業のIT担当者がADCを選択する場合に機能面で妥協することなく、導入コストのさらなる削減が可能になることを示唆している。

       1|2 次のページへ

ITmedia マーケティング新着記事

news060.jpg

Z世代が考える「日本が最も力を入れて取り組むべき課題」1位は「ジェンダー平等」――SHIBUYA109 lab.調査
SDGsで挙げられている17の目標のうち、Z世代が考える「日本が最も力を入れて取り組むべき...

news061.png

高齢男性はレジ待ちが苦手、女性は待たないためにアプリを活用――アイリッジ調査
実店舗を持つ企業が「アプリでどのようなユーザー体験を提供すべきか」を考えるヒントが...

news193.jpg

IASがブランドセーフティーの計測を拡張 誤報に関するレポートを追加
IASは、ブランドセーフティーと適合性の計測ソリューションを拡張し、誤報とともに広告が...