暗号鍵を不正に取得される可能性
Bluetoothの新しい脆弱性 その仕組みと対策方法とは
新しいBluetoothの脆弱性が2018年7月に発見された。この脆弱性には、中間者攻撃によるデータ改ざんやデータ漏えいの危険がある。脆弱性の内容と、暗号鍵の復元や攻撃の仕組み、対策について解説する。
Bluetoothを実装するとき、特定の条件下でOSのソフトウェアドライバとファームウェアに影響を及ぼす脆弱(ぜいじゃく)性が見つかった。
この脆弱性は、使用する楕円曲線パラメーターを十分に検証せずに、楕円曲線ディフィー・ヘルマン(ECDH)鍵交換で公開鍵を生成した場合に発生する。公開鍵は2台のBluetoothデバイス間で交換され、共有ペアリング鍵が生成される。パラメーターの検証が不十分な場合、デバイスの暗号鍵の取得が目的の攻撃を受ける危険がある。
攻撃者は無線通信の範囲内で中間者攻撃を仕掛け、2台のBluetoothデバイス間の通信を傍受することが可能だ。ペアリングの際に不正な公開鍵を注入すれば、攻撃者はセッション鍵を盗み取ることができる。
攻撃者は、送信者(被害者)と受信者(攻撃者)間で通信されるあらゆるメッセージをこのセッション鍵で暗号化することができる。被害者は、知らないうちに攻撃者の公開鍵を使ってメッセージを暗号化し、それを攻撃者に送信することになる。攻撃者は受信したメッセージを秘密鍵で復号できる。攻撃者は不正にメッセージを改ざんすることもでき、被害者がそれに気付かない限り、攻撃を受けていることは分からない。
エンドユーザーがとれる対策とは
それまでのBluetooth仕様では、公開鍵を検証するための適切な方法を提示しておらず、受信した公開鍵のソフトウェアドライバでの検証は、ベンダーへの推奨項目だった。
2018年7月に見つかったこの脆弱性への対応として、Bluetoothの標準化団体Bluetooth Special Interest Group(Bluetooth SIG)は仕様を更新し、公開鍵の検証を必須項目とするように変更した。エンドユーザーには、この変更に対応したバージョンのBluetooth実装にアップグレードすることを推奨している。加えてBluetooth認証試験施設向けの「Bluetooth Testing Facility Qualification Program」にこの脆弱性を調べるテストを追加した。
Bluetooth SIGの会員企業には、新しい仕様に基づくパッチの適用を呼び掛けた。エンドユーザーは、デバイスとOSの製造元から最新のアップデートをインストールする必要がある。
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