2020年07月29日 05時00分 公開
特集/連載

新たな製品「SASE」はどのような機能で構成されているのか?「SASE」を解剖する【前編】

クラウドサービスの普及など、ITの変化がもたらす課題の解決策となり得るのが「SASE」だ。ネットワークやセキュリティに関する複数の機能で構成されるSASE。その主要な構成要素を解説する。

[Dave Shackleford,TechTarget]

 クラウドサービスの利用が急速に拡大している。複数のユーザー企業でインフラを共有する「パブリッククラウド」、特定のユーザー企業がインフラを専有する「プライベートクラウド」、その両者を組み合わせた「ハイブリッドクラウド」、複数のクラウドサービスを組み合わせた「マルチクラウド」など、クラウドサービスの種類や利用の仕方はさまざまだ。

 こうした中、昔ながらのオンプレミスのデータセンターをネットワークの中心に据える構造が大きな障害となっている。こうした状況に対処するため、調査会社Gartnerは新しい製品分野「Secure Access Service Edge」(SASE:「サシー」と発音)を提案した。SASEはネットワークとセキュリティに関する複数の製品・サービスの機能を集約した製品分野だ。

「SASE」の構成要素

 SASEを構成する機能の一つに、ソフトウェアによってWAN(広域ネットワーク)を制御する「SD-WAN」(ソフトウェア定義WAN)がある。SD-WANは、オンプレミスのインフラとクラウドサービスのそれぞれに構築したネットワークを相互接続し、単一のネットワークとして扱えるようにする。

 ルーティング、回線容量(帯域幅)の調節、コンテンツ配信を高速化する「CDN」(コンテンツデリバリーネットワーク)もSASEの構成要素だ。CDNにより、特定のコンテンツやサービスごとに接続の優先度を設定したり、データ伝送速度を調節したりできるようにする。

 セキュリティ面でのSASEの構成要素として、クラウドサービスの通信を監視・制御する「CASB」(Cloud Access Security Broker)が挙げられる。CASBはDLP(データ損失防止)、コンテンツフィルター、マルウェア検出・対処、エンドユーザーの行動の検査などの機能を備える。CASB以外にも、SASEは以下のセキュリティ機能を構成要素とする。

  • Webアプリケーションファイアウォール(WAF)
    • Webアプリケーションに対する攻撃を防ぐ
  • ファイアウォール
  • IDS(侵入検知システム)/IPS(侵入防止システム)
  • リモートブラウザ分離
    • エンドユーザーがWebブラウザで有害なコンテンツを閲覧している場合、そのWebブラウザを社内ネットワークから隔離する

 SASEの登場は、クラウドセキュリティベンダーが自社製品・サービスを更新して、新機能を搭載する動きを生むだろう。SASEはネットワークとセキュリティの構造を一体化できる可能性を秘めている。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news060.jpg

「高齢者のデジタルシフト」「応援消費」他、コロナ禍が変えた消費行動と今後の「個客」との付き合い方
コロナ禍で起きた消費行動の変化とはどのようなものか。変化に対応するために企業が取る...

news024.jpg

なぜあのブランドは「離脱」されないのか?
「ITmedia マーケティング」では、気になるマーケティングトレンドをeBookにまとめて不定...

news056.jpg

急成長のデジタルライブエンターテインメント市場、2024年には約1000億円規模に――CyberZとOEN調査
音楽や演劇などライブコンテンツのデジタル化が急速に進んでいます。今後の見通しはどう...