「SASE」導入時に注意すべきこととは? Gartnerが語る「SASE」とは何か【後編】

ネットワークとセキュリティに関する機能を一体化させた「SASE」。その導入時に気を付けるべきこととは何か。市場はどのように動いているのか。

2020年07月16日 05時00分 公開
[Antone GonsalvesTechTarget]

 クラウドサービスやIoT(モノのインターネット)デバイスの普及に伴い、システムがさまざまな場所に分散するようになった。こうした状況に対処するために必要な、さまざまなセキュリティ機能やネットワーク機能を集約させた製品分野が「SASE」(セキュアアクセスサービスエッジ)だ。

「SASE」導入時の注意点と今後の動向

会員登録(無料)が必要です

 SASEの構成要素の中には、ソフトウェアでWAN(広域ネットワーク)を制御する「SD-WAN」(ソフトウェア定義WAN)がある。SD-WANベンダーの間では、製品・サービスの方向性としてSASEを取り込む動きがある。SD-WAN製品の中にはパス選択、ポリシーベースのルーティング、ファイアウォールを備え「『非常に優れたSASE』と言えるSD-WAN製品もある」と、Gartnerでアナリストを務めるジョー・スコルパ氏は話す。

 現在の企業はデータセンターやオフィスで複数のネットワークハードウェア、セキュリティアプライアンスを利用している。従ってネットワークやセキュリティ機能をSASEのようなクラウドサービスに切り替える場合は、ネットワークチームとセキュリティチームが連携して検討を進める必要がある。

 企業のSASE導入は今後2030年ごろまでかけてゆっくりと進むというのがGartnerの予測だ。ベンダーはこうした潜在的なユーザー企業を対象に、既に動き始めている。SD-WANベンダーは基本的なファイアウォールにコンテンツフィルタリングやエンドポイントセキュリティといったセキュリティ機能をオプションとして提供していることが一般的だ。SD-WAN機能を提供するセキュリティベンダーもある。「ベンダーはSASEの提供に向けたロードマップを作成し、導入基盤を確保しなければ、競争相手に後れを取ることになるだろう」(スコルパ氏)

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

新着ホワイトペーパー

製品資料 フォーティネットジャパン合同会社

クラウドに必要な「データドリブンなセキュリティ」を実現する方法とは?

クラウド利用が当たり前となった今日、セキュリティ対策もまたクラウド環境に適したものでなくてはならない。とはいえ、大量のデータポイントが生成されるクラウド領域にあって、その全てのポイントを網羅するのは並大抵のことではない。

製品資料 TIS株式会社

Web攻撃総数の2割以上が狙うAPI、適切な管理とセキュリティ対策を行うには?

ビジネスでのAPI利用が進むにつれ、そのAPIを標的としたサイバー攻撃も増加している。それらに対抗するためには、「シャドーAPI」や「ゾンビAPI」を洗い出し、セキュリティ対策を徹底する必要がある。その正しい進め方を解説する。

製品資料 Okta Japan株式会社

アイデンティティー管理/保護の注目手法、「IGA」とは何か?

ある調査で企業の61%がセキュリティ優先事項のトップ3に挙げるほど、重要度が高まっているアイデンティティー管理・保護。その中で昨今注目されているのが「IGA」というアプローチだ。そのメリットや、導入方法を解説する。

製品資料 株式会社エーアイセキュリティラボ

AIで人材不足を解消、セキュリティ担当者のためのDXガイド

DX推進によってさまざまなビジネスシーンでデジタル化が加速しているが、そこで悩みの種となるのがセキュリティの担保だ。リソースやコストの制限も考慮しながら、DXとセキュリティを両輪で進めるには何が必要になるのか。

製品資料 パロアルトネットワークス株式会社

セキュリティ運用を最適化し、SOCの負担を軽減する「SOAR」とは?

サイバー攻撃が巧妙化し、セキュリティチームとSOCは常に厳戒態勢を取り続けている。さらにデジタルフットプリントの拡大に伴い、セキュリティデータが絶え間なく往来する事態が生じている。このような状況に対応するには、SOARが有効だ。

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news130.jpg

Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...