2011年に発生した東日本大震災やタイの洪水は、音響メーカーBoseのサプライチェーンに混乱を引き起こした。同社はこの時に得た教訓を、新型コロナウイルス感染症のリスクと混乱への備えに役立てている。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)で、企業は自社のサプライチェーンを見直し、前代未聞の混乱の中で部品や製品の流通を止めない方法を熟慮しなければならなくなっている。とはいえサプライチェーンの回復力を確立することは新しい課題ではない。
大手オーディオ機器メーカーBoseは2011年にサプライチェーンの混乱を経験し、自社のサプライチェーンの見直しを迫られた。その結果として立ち上げたのが、サプライヤーのリスクを最小限に抑え、混乱への備えを目的とする施策だ。
本稿は、調査会社Gartnerが2020年11月に開催したオンラインイベント「Gartner Supply Chain Symposium」に登壇した、Boseのグローバルサプライマネジメント部門でディレクターを務めるエリック・ドウィネルズ氏の講演を基にまとめた。ドウィネルズ氏は講演で、Boseがサプライチェーンの回復力を高める施策を採用した理由と、この施策がリスク軽減にどのように役立っているかについて説明した。
Boseは以下に示す4つの事業部門と、世界中を結ぶ複雑なサプライヤーネットワークを有する。世界各所から同社の製造施設に原材料や部品が出荷されている。
「サプライチェーンのパフォーマンスに影響し得る混乱に備えるのが、この施策の主な目的だ」とドウィネルズ氏は話す。「COVID-19を誰も予期できなかったように、起こり得るあらゆるリスクや混乱に備えて計画を立てることは不可能だ」と同氏は指摘する。それでもサプライチェーンの回復力を高める施策を構築して、あらゆるリスクを察知し、全般的な対処をするのに役立てることは「恐らく可能だ」と語る。
ドウィネルズ氏によると、Boseがサプライチェーンの回復力を高める施策を立ち上げたのは2011年だ。その年は、日本で東日本大震災が発生し、タイではモンスーンの豪雨による洪水が生じて、同社のサプライチェーンを混乱に陥れた。
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