2021年07月19日 08時00分 公開
特集/連載

有害なVPNの見分け方――こんなVPNプロバイダーには気を付けろVPNの正しい選び方【前編】

有象無象のVPNプロバイダーがあり、その品質やサービスは玉石混交だ。低品質なだけなら良い方で、中にはマルウェアに感染させる悪質なものまである。

[Nicholas Fearn,Computer Weekly]

 VPNはあらゆる企業にとって重要なツールになっている。VPNは機密度の高い企業データの暗号化、セキュリティが確保されたリモートアクセスの提供、公共Wi-Fiのセキュリティ強化、匿名Webブラウズの許可、ジオブロック(訳注:特定地域での利用を禁止すること)の回避など、多くのメリットを提供する。

 だが、適切なVPNを選ぶのは難しい。ところが、幾つか簡単な質問をするだけで最善のVPNを購入できる可能性がある。

 ESETのジェイク・ムーア氏(セキュリティスペシャリスト)は本誌のインタビューに答え、次のように話した。「セキュリティとプライバシーは不可欠であり、ネットワークにリモート接続する全ての機器に実装しなければならない」

 VPNを探すと、多種多様なプロバイダーが参入していることが分かる。未知のプロバイダーも多いため、選択に当たってはレビューを読むことをムーア氏は勧める。

 「VPN市場には未知の企業が多数ある。その企業の製品のレビューを読み、正直な意見を確認することが重要だ。ただし、その製品を支持するレビューは有償で作成されているものも多い」

 レビューを読むだけでなく、VPNを利用することによるリスクを理解することもムーア氏は勧める。「めったにないことだが、ソフトウェアにトラッカーが組み込まれているVPNや、マルウェアに感染するVPNさえある。適切なソリューションを見つける鍵は各プロバイダーを詳しく調べることだ」

 Immersive Labsのショーン・ライト氏(アプリケーションセキュリティ責任者)も企業にとってVPNが重要なツールであり、プロバイダーを選択するためにしっかりと調査しなければならないことに同意する。

 「VPNは本質的に重要かつ機密度の高いインフラだ。全てのトラフィックがVPNを経由するため、必ず使うことになる。まっとうなサービスプロバイダーを見つけて選定するには、時間をかけて下調べをすることが不可欠だ」

 「特に公共Wi-Fiなどのパブリックネットワークを利用する場合、VPNは優れたセキュリティを提供する。だが不適切なサービスを選択するとリスクが高まる恐れがある。HTTPSなどの暗号化チャネルもこうしたリスクの軽減に多少は役立つ。だが多くのリクエストは依然としてプレーンDNSなどのプレーンテキストで行われている」

 ムーア氏と同様、ライト氏もVPN使用時のプライバシーへの影響に配慮する重要性を強調する。「全てのトラフィックはサービスプロバイダーを介してルーティングされる。そのため、トラフィックの全てではないとしても、その一部は他人の目に触れる恐れがある。個人的見解だが、有償VPNサービスの利用を推奨する。無償のサービスは広告などの収益に支えられている可能性がある。そのようなサービスでは何らかの手段で個人の情報が追跡される恐れがある」

 ライト氏は、VPNプロバイダーの顧客の声、特にスマートフォンのアプリストアに掲載されている意見に注目することも推奨する。さまざまな長所や短所が細かく語られているため参考になる。

 ライト氏は企業が独自のVPNを作成することも可能だと言う。だがVPNを開発した経験がなければリスクになる恐れがある。同氏によると、「PiVPN」などのツールを使えばVPNの作成や設定が容易になるという。だが知識は重要だ。「意図しない接続は許可せず、VPN接続を許可するようにネットワークを正しく構成するなど、自分がやっていることを理解する必要がある」

検討すべき要素

 VPNを探すに当たって考慮すべき重要な要素は多岐にわたる。そう話すのはMalwarebytesのジャン=フィリップ・タガート氏(上級セキュリティ研究者)だ。第一に、VPNサービスがログを記録しないという厳格なポリシーを備えていることを確認する必要がある。このポリシーがプライバシー全体の向上に役立つためだ。

 「ログを最小限にとどめるのが理想のシナリオだ。ログが少ないほどプライバシーが強化される。ログがなくても困ることはない。VPNを使う主な目的の一つはエンドユーザーのプライバシーを強化することだ。従って、最初に評価するのはログの有無だ」

 「ログを一切記録しないと称するVPNプロバイダーは多い。だが、大事な場面でログを記録する場合がある。候補に挙がっているVPNプロバイダーのログについて、自称と実際がどのように違っているかをインターネットで調べてみる価値はある」

 VPNプロバイダーの本社所在地も確認しておきたい。所在地によってその企業に適用される法律が変わる可能性がある。

 「国家の検閲を免れるためにVPNを使うケースもある。こうした検閲を行っている国にVPNプロバイダーの拠点があれば、政府がそのプロバイダーにログの引き渡しを要求したり、ログの有効化を強制したり、ユーザーを追跡するようにシステムを変更しろと強要したりすることを防ぐ方法はない」(タガート氏)

後編では引き続き、VPN選定時に確認すべき事項とVPNプロバイダーに問うべき3つの質問を紹介する。

ITmedia マーケティング新着記事

クラウドファンディングを活用して広告出稿 MOTION GALLERYと電通が「AD MISSON」を提供開始
自己資金は乏しくても共感性が高く社会貢献の見込めるプロジェクトが情報発信できるため...

news017.jpg

「A/Bテスト」ツール 売れ筋TOP10(2021年10月)
今週は、「A/Bテスト」ツールの売れ筋TOP10を紹介します。

news030.jpg

コンテンツSEOでやらかしてしまいがちな3つの勘違い
ITmedia マーケティングで2021年3月に連載して多くの反響をいただいた「勘違いだらけのEC...