「X-PHY」はセキュリティの“とりで”に?
「ThinkPad」に「AIでPCを守るSSD」搭載モデルが登場 発売前から大人気の必然
FlexxonがLenovoと提携し、AI技術を使って攻撃に対処するSSDを開発した。LenovoのノートPC「ThinkPad」が搭載する。既に世界の企業から問い合わせが相次いでいるという。どのような企業が関心を寄せているのか。
人工知能(AI)技術を使ってサイバー攻撃に対処するSSD(ソリッドステートドライブ)の開発で、シンガポールの記憶装置メーカーFlexxonとLenovoが手を組んだ。共同開発のSSD「X-PHY」は、機械学習といったAI関連処理に特化したコプロセッサ(補助プロセッサ)と、サイバー脅威をリアルタイムに監視するファームウェアを搭載。機械学習のアルゴリズムを利用し、ドライブのデータ読み書き時に発生するストレージコマンドを分析する。両社は2021年内に、ノートPC「ThinkPad」のX-PHY内蔵モデルを発売する計画だ。
“あの被害”を受けた企業がX-PHY内蔵「ThinkPad」に高い関心
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「SSD」を巡る動向について
Flexxon創業者兼CEO(最高経営責任者)のカメリア・チャン氏によると、同社は現在、X-PHYの安定性を確認するためのテスト中だ。X-PHYを内蔵したLenovo製ノートPCの予約注文の受け付けは始まっているが、半導体チップの供給不足のため、出荷は2021年末になる見込みだ。Flexxonは発売後もAI技術の進歩を反映し、アルゴリズムを調整しながらX-PHYの改善を進める。
サイバー攻撃が活発化し手口が巧妙化している中、企業はX-PHY内蔵ノートPCに高い関心を寄せる可能性がある。Flexxonは現時点で、シンガポールや米国、欧州の企業から約100件の予約注文を受けているという。「特にランサムウェア(身代金要求型マルウェア)攻撃の被害に遭った企業からの問い合わせが相次いでいる」とチャン氏は言う。
Lenovoシンガポール法人のゼネラルマネジャーを務めるロニー・リー氏は、「X-PHY内蔵ノートPCは、SSDでサイバー攻撃を防げるので、高価なセキュリティのハードウェアやソフトウェアの導入は必要ない」と説明する。IT予算が限られている中堅・中小企業を主要ターゲットに据え、販売活動に取り組む方針だ。
シンガポールのサイバーセキュリティ庁(CSA:Cyber Security Agency of Singapore)は、X-PHYの開発を支援する。同国政府は自国内でのセキュリティ技術の開発に力を入れ、世界各国での商品化を後押ししている。X-PHYはセキュリティの国際標準規格「Common Criteria」(CC)に基づくCSAの認定も受けた。米国やカナダ、フランス、ドイツ、オランダなどCCを重視している国で訴求しやすいとみられる。
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