部屋数でも、築年数でもなく「ネットの速さ」が家選びの新基準に300Mbps以上で物件価値は75万円アップ?

Omdiaの調査によると、英国では住宅選びの最優先条件ランキングで「高速インターネット接続」が2位になった。部屋数より高速通信を重視する動きの背景には何があるのか。

2021年12月16日 08時15分 公開
[Joe O’HalloranTechTarget]

 英国の消費者は、住宅を購入する際の条件として、インターネット回線の速度を重んじていることが分かった。2021年11月16日(現地時間)にHuawei Technologiesが公開した調査結果によると、英国の住宅購入者が重視する条件のうち、首位の物件の広さに次ぐ2位が「高速インターネット接続」だった。3位の部屋数より上位に入った形だ。スコットランドと英国南西部だけで見ると、高速インターネット接続は1位になったという。

 この調査は、Huawei Technologiesの依頼で調査会社Informa Tech(Omdiaの名称で事業展開)が英国の不動産業者294社を対象に実施。インターネット回線速度の重要性が高まっている背景として、Huawei Technologiesはテレワークの普及の他、動画配信サービスの利用者の増加を挙げている。同調査で住宅購入の重要条件として上位に入ったのは下記の通りだ。

  • 物件の広さ(23%)
  • 高速インターネット接続(20%)
  • 部屋数(18%)
  • 築年数(10%)
  • 交通の便(9%)

300Mbps以上出れば物件価値は75万円上がる?

 69%の不動産業者が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)が始まってから、取扱物件のインターネット回線の速度に関する問い合わせが増えたと答えた。特に光ファイバーの設備があるかどうかの問い合わせが多かったという。

 新築物件では光ファイバーなど比較的高速なインターネット回線(固定ブロードバンド)の設備について、93%の不動産業者が不可欠だと回答。37%は、データ伝送速度300Mbps以上の設備があれば、物件価値は5000ポンド(約75万円)上がるとみる。英国北部の一部の地域では、同じ回答をした不動産業者の割合は45%だった。

 データ伝送速度1Gbps以上の固定ブロードバンドが住宅を販売する上で有利だと答えた不動産業者は23%だった。その設備があれば、住宅が購入される確率が高まるとみている。

 Omdiaのリサーチディレクターを務めるマイケル・フィルポット氏は「仕事や娯楽において、信頼性の高いインターネット接続は重要性を増している」と述べる。Huawei Technologiesのエグゼクティブバイスプレジデント、ジェレミー・トンプソン氏によると、パンデミックによって高速インターネット接続は「電気や水道と並ぶ重要インフラ」になっている。

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