調査によると、英国のインターネットバンキングユーザーは詐欺被害を銀行が補償することを期待している。こうした考え方が広がる背景には、セキュリティ意識の高まりがある。
2021年10月、セキュリティベンダーAkamai Technologiesの委託で、調査会社YouGovが英国成人2417人を対象に実施した調査では、オンライン詐欺による被害を銀行が補償することを期待する回答者は67%と3分の2以上に達した。51%は「銀行が補償しない場合、他の銀行に乗り換えるつもりがある」という。インターネットバンキングを利用する回答者のうち、58%が毎週1通以上の詐欺メールまたはテキストメッセージを受け取った経験があることも分かった。
Akamai Technologiesのレポート「State of the Internet」の金融業界編となる「Financial Services ―Hostile Takeover Attempts」によると、2020年に金融サービス会社が受けたパスワードリスト攻撃(「クレデンシャルスタッフィング攻撃」とも呼ばれる)は34億件と、前年比で45%増加した。この攻撃は、複数のインターネットサービスで同じパスワードを使い回すユーザーを狙って、詐欺師が不正に入手したクレデンシャル(IDやパスワードなどの認証情報)リストを使用し、インターネットサービスへのログインを試行するものだ。
このようなサイバー攻撃が横行する一方で、消費者は一般に推奨されているサイバーセキュリティ対策を取るようになってきている。YouGovの調査によると、回答者の59%が「どのオンラインサービスでも、同じパスワードは使い回していない」と答えている。
大部分の回答者(86%)は「銀行はサイバー犯罪者による攻撃から自衛できる」と確信している。回答者の67%は、サイバー攻撃や金融詐欺の被害に遭った場合、金額にかかわらず銀行が補償することを期待している。
この調査結果は「極めて多くの人が、既に知っていることを裏付けている」と、Akamai TechnologiesのEMEA(欧州、中東、アフリカ)セキュリティ技術および戦略担当ディレクター、リチャード・ミーアス氏は語る。それは銀行や金融サービス業界には、詐欺やサイバー犯罪の深刻な問題があるということだ。
後編は、銀行を取り巻くサイバー犯罪の現状を紹介する。
米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製
品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
企業がビジネス規模を拡大し、サプライチェーンやビジネスパートナーとの協業が進んだことで従来型のリスク/コンプライアンス管理の限界が露呈しつつある。リスク管理を次のステップに進めるためには、これまでと異なる仕組みが必要だ。
Lenovoでは、顧客デバイスのライフサイクル管理を支援するDevice as a Serviceを世界中に提供している。しかし、そのオペレーションは複雑であり、顧客エクスペリエンスを高めるために改善が必要だった。同社が採った改善策とは。
セキュリティリスクが増大している今日において、社内のセキュリティ教育は必須のタスクとなっている。しかし、セキュリティ教育それ自体が目的化してしまい、確実な効果を上げられていないケースも多い。
日々進化するサイバー攻撃から自社を守るためにも、時代の変化やトレンドに応じてセキュリティ教育を見直すことが必要だ。その実践ポイントを「目的の再確認」「教育の実施状況の分析」「理解度・定着度の測定」の3つの視点で解説する。
データ活用人材を社内で育成するためには、「DX推進者」や「分析実務者」などの役割に応じたスキル定着が欠かせない。効果的な育成を行う方法として、あるデータ活用人材育成サービスを取り上げ、その特徴や事例を紹介する。
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。