オランダの教育機関は、セキュリティにどう向き合っているのか。課題とその解決策とは。IT幹部を対象にした調査結果や専門家の見解を基に、現状を探る。
オランダの教育関係者は、サイバー攻撃の脅威を軽視している――。調査会社Kantar Groupが、教育機関のIT活用支援を手掛けるBreens Networkの委託で実施した調査レポートからは、こうした傾向がうかがえる。調査は2021年1~2月に、オランダの中等教育機関および中等職業教育機関の経営幹部、最高情報責任者(CIO)、IT部門の担当者を対象に実施し、129人から回答を得た。
DDoS(分散型サービス拒否)攻撃やランサムウェア(身代金要求型マルウェア)攻撃などの活発化は、教育機関にとってひとごとではない。だが調査レポートによると、教育機関の約60%は、プライバシー保護を含むセキュリティ対策にIT予算の5%以下しか投じていなかった。
「オランダの教育機関は、セキュリティリスクを十分認識していないことが見て取れる」。Breens Networkの最高経営責任者(CEO)であるヘアート・ジャン・バンデルスノーク氏は、調査結果を受けてこう話す。
セキュリティに関して、オランダの教育機関に欠落している要素は何か。教育機関が保有するシステムとデータを守るために、セキュリティ対策に取り組む責任は経営幹部にある。だが経営幹部は「そのことを十分理解していないか、対処する能力がない」と調査レポートは結論付ける。
Breens Networkは調査レポートで、問題解決の方向性を示している。その一つは、教育機関がセキュリティ対策を整備できるよう、オランダ政府が支援する案だ。同社は、実施済みのセキュリティ対策を教育機関に年次報告してもらうことを政府に提案している。
第2回は調査レポートの内容をさらに深掘りして、オランダの教育機関におけるセキュリティの現状を洗い出す。
米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
サイバー攻撃の脅威から自社を守るには、従業員のセキュリティ教育を効率的・効果的に行い、一人一人の意識を向上させることが重要だ。その実践を“自動化”でサポートするサービスを取り上げ、機能や特徴を紹介する。
技術系キャリアを検討する女子生徒は増加傾向にあるものの、全体的に見た割合は十分ではない。IT分野が女子生徒から敬遠されてしまう理由とは。
オンライン教育の導入により、教育機関はさまざまな場所に存在する学習者の主体的な学習を促し、評価する必要に迫られた。その有力な手段となり得るデータ分析の取り組みを事例と共に紹介する。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を契機にオンライン教育が普及した。これに伴い、教育活動で収集するデータの分析や活用に教育機関が頭を悩ませている実態が浮き彫りになった。
学生や教職員など多様な立場の人が関わる大学で、誰もが満足するIT製品・サービスを導入するのは至難の業だ。テネシー大学の事例から5つのこつを紹介する。
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。