Microsoftは、従業員体験向上を目的としたツール群「Microsoft Viva Suite」にOKRの管理ツールを追加する。組織の連携強化に役立つというが、どのようなツールなのか。
Microsoftは従業員体験向上を目的としたツール群「Microsoft Viva Suite」に、目標と成果指標(OKR:Objectives and Key Results)の管理ツール「Viva Goals」を追加する。Microsoft Viva Suiteは2021年に提供開始。ユーザー企業は同ツール群を使うことで、従業員の学習や知識発掘、生産性向上、コミュニケーションを支援できる。
Viva GoalsのOKR技術は、Microsoftが2021年秋に買収したOKRツールベンダーAlly Technologies(Ally.ioで事業展開)が提供するものだ。Microsoft Viva Suiteのユーザー企業は、2022年後半から既存のサブスクリプションに追加する形でViva Goalsを利用できるようになる。
調査会社Gartnerのアナリストであるマシュー・カイン氏によると、Viva Goalsのユーザー企業はOKR技術を用いて、個人やチームの貢献が組織の目標に合致しているかを確認できる。同ツールは誰が何の業務に取り組んでいるかについての透明性確保と、業務進行状況の説明責任を確保するのに役立つとカイン氏は語る。
オフィススイートのサブスクリプションサービス「Microsoft 365」とMicrosoft Viva Suiteのゼネラルマネジャーであるセス・パットン氏は次のように述べる。「Viva Goalsを使用するには管理職の積極的な関与が必要だ」。このツールは使い方を知っている管理職がいてこそ効果を発揮するという。
パットン氏の指摘によると、Viva Goals導入後はチーム内の協力や目標の合意が必要となるため、従業員の仕事量は増える可能性がある。ただし同氏は「同ツールを採用した企業は組織の連携や回復力、機敏性を向上させ、新しいプロジェクトや機会、製品分野へ迅速に移行する能力を得るだろう」と見込む。
Viva Goalsはビジネスにおいて効果を示すだけでなく、組織に対する従業員のエンゲージメント(帰属意識)を高めるとパットン氏は考える。「エンゲージメントが向上する理由は、『自分の仕事がなぜ重要なのかを理解している』と従業員が感じるからだ」と同氏はコメントする。
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