BroadcomによるVMware買収は、VMwareにとって、またVMware製品のユーザーにとって幸せなことなのか。もしそうではないとすれば、それは誰のため、何のための買収なのか。アナリストの見解は。
仮想化の雄、VMware(ヴイエムウェア)の買収で合意した半導体ベンダーのBroadcom(ブロードコム)。VMwareの事業が、Broadcomの既存事業にどのように組み込まれるのか。CA TechnologiesやSymantecといった、Broadcomが買収したベンダーや製品とのシナジー(相乗効果)は生まれるのか。アナリストの見解はさまざまだ。
調査会社IDCのリサーチディレクター、ゲイリー・チェン氏は、今回の買収はVMwareにとって「奇妙な結果だ」と述べる。VMwareは「業績が大きく落ち込んでいるわけではない」(チェン氏)からだ。
BroadcomがVMware買収に動いた理由は何なのか。「CA TechnologiesやSymantecの買収時と同様、壮大な技術的ビジョンの実現ではなく、財務的なメリットによるものだ」。調査会社Futurum Researchのプリンシパルアナリストで、マーケティング支援を手掛けるBroadsuite Media GroupのCEOであるダン・ニューマン氏はこうみる。
ニューマン氏は、BroadcomのCEOであるホック・タン氏を「“財務エンジニア”だ」と説明する。「タン氏は強力なキャッシュフローを生み出す買収について、賢明な判断を下すことができる」とニューマン氏は語る。
「Broadcomにとって良いことでも、VMwareユーザーを含む他の人々にとって良いことなのかどうかは分からない。人々が困惑しているのはそのためだ」。ニューマン氏は今回の買収についてこう語る。
VMwareのように、特定の市場で強力なパートナーシップとポジションを持つベンダーが、その市場での経験の浅いベンダーによる買収に合意するのは「めったにないことだ」と、調査会社Interarbor Solutionsのプリンシパルアナリストであるダナ・ガードナー氏は語る。ガードナー氏はVMwareについて「クラウドやコンテナ、仮想化といった主要な技術トレンドの最先端で製品を提供してきた実績がある」と評価する。「そのようなベンダーが“門外漢の言いなり”になるのは皮肉なことだ」(同氏)
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