VMwareの仮想化製品は幅広い。それぞれどのような機能を持つのか。まずはサーバ仮想化ソフトウェアの「vSphere」とネットワーク仮想化ソフトウェアの「VMware NSX-T Data Center」を解説する。
仮想化製品の種類はさまざまだ。IT担当者は多様な仮想化製品の中から、自社に最適な製品を選ぶ必要がある。仮想化ベンダーの中でも特に豊富な仮想化製品を提供しているのがVMwareだ。同社は仮想化製品を中心に、以下のような製品を提供している。管理者はこれらの製品を個別に購入するか、複数製品を組み合わせたパッケージとして購入できる。
ラインアップの幅広さから、VMware製品の導入を検討するための事前調査は困難になることがある。本連載はVMwareの主要製品の概要を説明する。
VMwareの仮想化製品はソフトウェアによる構築や運用が可能なインフラ「ソフトウェア定義データセンター」(SDDC)の構築を目的としている。SDDCの構築で中心的な存在となる同社の製品がvSphereだ。IT管理者であれば、多少なりともvSphereを使った経験があるだろう。
2020年4月に提供が始まったvSphereの第7世代「vSphere 7」は、VMwareの「vCenter Server」を使って管理できる。vCenter ServerはvSphereで構築した全ての仮想マシン(VM)を一元管理するためのソフトウェアだ。vSphere 7にはvCenter Serverの他にも、以下のようなさまざまなソフトウェアを含む。
vSphere 7に追加された新機能の一つに、コンテナオーケストレーションソフトウェア「Kubernetes」で管理するコンテナを実行する機能がある。これによりIT管理者は、VMだけでなくコンテナもvSphere 7で統合管理できるようになる。
VMwareは他にも、vSphere 7に幾つかの新機能やソフトウェアを追加している。そのうちの一つがライフサイクル管理ソフトウェア「VMware vSphere Lifecycle Manager」だ。これはESXiのアップデートを簡素化し、ESXiホスト(ESXiを実行する物理サーバ)を特定の仕様に変更することに役立つ。
CPUライセンスも変更した。vSphere 7では、1個のCPUライセンスがカバーするのは、最大32個のCPUコアを搭載する1個のCPUまでだ。vSphereホストのCPUが1個でも、CPUコアが32個を超える場合は1個のCPUライセンスでは足りず、追加のCPUライセンスを購入する必要がある。
ハイパーバイザーなどのサーバ仮想化ソフトウェアだけではSDDCは実現できない。NSX-T Data Centerなどのネットワーク仮想化ソフトウェアも重要な要素となる。NSX-T Data Centerは、データセンターの物理的なスイッチとルーターが担う役割をソフトウェアで実現し、仮想ネットワークで機能できるようにする。
NSX-T Data Centerは物理的なネットワークインフラで仮想ネットワークを動かすオーバーレイネットワークをソフトウェアで実現する。ルーティングプロトコルとして「BGP」(Border Gateway Protocol)を利用可能だ。複数のセキュリティ対策機能も搭載する。ハイパーバイザーに組み込む分散ファイアウォールや分散IDS(侵入検知システム)/IPS(侵入防止システム)によって、物理ネットワークと仮想ネットワークの間の通信を監視する。サードパーティー製のマルウェア対策製品を活用することも可能だ。
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