大学でなければ得られないスキルを求めるのでなければ、エンジニアが学位を取得する必要性はあまりない。ただし学位取得以外にも、大学でなければ得られないメリットが幾つかある。それは何か。
第3回「IT認定資格で『証明できるスキル』と『証明できないスキル』」に続く本稿は、大学でコンピュータサイエンスの学位を取得するメリットを説明する。コンピュータサイエンスの学位を取得するときは、その過程でロボティクスやバイオテクノロジーなど、さまざまな技術や研究分野の基礎を学習することになる。「コンピュータサイエンスの学位を取得すれば、高度な研究への優れた入門になる。幅広い知識が身に付き、就職に有利になる」と、ITサポートを手掛けるGuardian Computerに勤務するチャールズ・アンドルーズ氏は説明する。
「コンピュータサイエンスの学位は、基礎レベルのコンピューティングの知識やプログラミングの技能を習得したことを示す」と、グラフデータベースを提供するNeo4jでリード製品マネジャー兼データサイエンティストを務めるアリシア・フレーム氏は説明する。数年にわたって学習に専念することは、エンジニアのポートフォリオ構築に役立つ。さらに大学では人脈や就職支援サービスも得られる。
セキュリティ人材育成サービスを手掛けるCybraryで最高情報セキュリティ責任者(CISO)兼エンジニアリング担当バイスプレジデントを務めるマイク・グルーエン氏は、コンピュータサイエンスの学士号取得を目指したことがある。コンピュータサイエンスの構造化されたさまざまな学習分野に興味があったことに加え、大学教育が提供する人材や設備などのリソースを利用できることに魅力を感じたためだ。
学んだことを直接生かせることは「頻繁にはない」とグルーエン氏は明かす。それでも大学に自分の学習スタイルに合った環境が整っていたことで、効果的に働くための知識の土台や問題解決能力、クリティカルシンキングのスキルを身に付けることができたという。
「大学の課程は、研究や問題解決のための基礎的な知識を確立することに重点を置く傾向がある」とグルーエン氏は説明する。既に学位や資格を持っているエンジニアは、学位でしか得られない知識やスキルを求めるのでなければ、大学に戻る必要はない。
次回は、コンピュータサイエンスの学位取得を目指す際の注意点を説明する。
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