いまさら聞けない、ソフトウェア定義データセンター(SDDC)の基礎知識「物理層」「仮想化層」「管理層」で考える

ソフトウェア定義データセンター(SDDC)のデータ管理アプローチでは、「物理」「仮想化」「管理」の3つの論理層に分けてプロセスを考える。それぞれの層でできることは何か、基礎知識を整理する。

2018年03月14日 09時00分 公開
[Robert SheldonTechTarget]
ソフトウェア定義データセンターのコンポーネント ソフトウェア定義データセンターのコンポーネント《クリックで拡大》

 ソフトウェア定義データセンター(SDDC)はデータ管理アプローチの1つだ。SDDCは仮想化によってコンピューティング、ストレージ、ネットワークのリソースを抽象化し、それらをサービスとして提供する。このプロセスを容易にするため、SDDCは、仮想化したリソースを一元管理し、運用とワークロードの分散を自動化するインテリジェントなソフトウェアを備えている。

 SDDCのアーキテクチャは「物理」「仮想化」「管理」の3つの論理層に分けることができる。これらの層を連携させて統合システムを構成することにより、従来のテクノロジーよりも柔軟かつコスト効率よくデータセンターを管理できるようになる。

物理層

 SDDCアーキテクチャの物理層には、企業データを格納して処理するために必要なコンピューティング、ストレージ、ネットワークの各コンポーネントが含まれる。こうしたコンポーネントはコモディティハードウェアで構成できる。コンポーネントのベンダーを同じにする必要もない。これにより、企業はコストを削減し、ベンダーロックインを避けることができる。だが、柔軟性が高い故にSDDCの実装は複雑にもなり得る。

 コンピューティングコンポーネントは通常複数のサーバノードを含み、そのノードをクラスタアーキテクチャに組み合わせる。各ノードは、データ操作をサポートするための処理リソースとメモリリソースを提供する。クラスタはコモディティハードウェアで構成できるため、IT部門は高級なシステムに比べて簡単かつ安価に、障害の発生したノードを置き換えることができる。

 ストレージコンポーネントは、SAN(Storage Area Network)、NAS(Network Attached Storage)、DAS(Direct Attached Storage)など、さまざまなテクノロジーで構成できる。HDDやSSDを含めることも可能だ。さらに、既存のストレージシステムを活用しても構わないので、必要以上の支出は避けることができる。

 SDDCアーキテクチャのネットワークコンポーネントには、コンピューティングリソースとストレージリソースとの間の通信を容易にし、企業データを保護する物理ハードウェアが含まれる。こうしたハードウェアには、スイッチ、ルーター、ゲートウェイ、クラスタ化したアーキテクチャとSDDC通信をサポートするために必要なコンポーネントなどがある。

仮想化層

 仮想化はSDDCアーキテクチャの重要なパーツになる。仮想化層には、基盤となるリソースを抽象化し、それを統合サービスとして提供できるようにするソフトウェアが含まれる。仮想化層の心臓部は、リソースを仮想化コンポーネントとして提供するハイパーバイザーだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news025.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。