「Azure VMware Solution」「VMware Cloud on AWS」のどちらを選ぶべきか?「Azure VMware Solution」と「VMware Cloud on AWS」を比較【後編】

VMware製品をクラウドサービスで利用できる「Azure VMware Solution」と「VMware Cloud on AWS」。オンプレミスのインフラからクラウドサービスへアプリケーションを移行させるときは、どちらを選べばよいのか。

2020年09月10日 05時00分 公開
[Brian KirschTechTarget]

 Microsoftは、同社のクラウドサービス群「Microsoft Azure」でVMwareの仮想化製品を利用するためのサービス「Azure VMware Solution」を提供している。MicrosoftとVMwareは昔、ハイパーバイザーで競合関係にあった。時がたってハイパーバイザーは普及し、仮想化市場で利益を生み出す製品はハイパーバイザーそのものではなく、その周辺の仮想化製品へと切り替わった。両社の提携にはこうした背景がある。

「Azure VMware Solution」と「VMware Cloud on AWS」を選ぶ“決め手”は

 Amazon Web Services(AWS)は、ユーザー企業がオンプレミスのVMware製品で稼働させている仮想マシンをAWSの同名クラウドサービス群で動かすためのサービス「VMware Cloud on AWS」を提供している。Azure VMware SolutionとVMware Cloud on AWSは一見同じようなサービスに見えるが、企業の目的や稼働させるアプリケーションの種類によっては、どちらか一方のサービスがより適している場合がある。

 オンプレミスのインフラで稼働するアプリケーションをクラウドサービスに移行したいと考えても、テストや移行にかかる時間とコストが課題となる。Microsoftの技術に大きく依存しているアプリケーションの場合、Azureに移行させる方が、AWSに移行させるよりもコードを変更する作業が少なくなる可能性がある。

 常にそうとは限らないものの、単一ベンダーのエコシステムの中にとどまる方が、移行作業は容易な傾向がある。保守管理の面でも、複数ベンダーのサポートに頼るよりは、単一ベンダーのサポートを利用する方が複雑にならない。

 Azure VMware Solutionにするか、VMware Cloud on AWSにするかを判断するには、自社がどこのベンダーの製品やサービスを利用しているかを整理することが必要だ。もし自社が利用しているソフトウェアの大半がMicrosoft製品であれば、Azure VMware Solutionを検討する必要がある。

 いずれにしても移行後のインフラを管理するためには、引き続きVMware製品を使う必要がある。この点においては、Azure VMware SolutionとVMware Cloud on AWSに大差はない。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news086.jpg

「α世代」はマーケターにとってなぜ重要なのか?
Razorfishのレポートによると、α世代の中でも比較的年齢が高い層は美容製品に強い関心を...

news068.jpg

【B2Bマーケター困惑】資料請求サイト経由のリードの商談化率は10%以下 有効活用するには?
資料請求サイトを活用するのは費用対効果が合わないのでしょうか。また、商談につなげる...

news078.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年3月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。