バックアップを実施すれば、ランサムウェア攻撃を受けてもデータ復元ができる――。そう考えるのは危険だ。バックアップの落とし穴と「後悔しない使い方」とは何か。
セキュリティベンダーのCybereasonが2022年6月に発表した調査レポート「Ransomware: The True Cost to Business 2022」。企業のセキュリティ担当者約1400人の回答を分析し、ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)攻撃の実態を明らかにしている。Cybereasonによると、ランサムウェア攻撃に備える際は、特にバックアップに注意が必要だ。
Cybereasonの最高セキュリティ責任者(CSO)サム・カリー氏は米TechTargetの取材に対し「身代金を支払わずに復旧できた企業は事前に講じていたランサムウェア対策が奏功したか、それほど大きな被害を受けなかったかのいずれかだと考えられる」と説明する。他にも政府機関やセキュリティ団体による復号鍵やベンダーの復号ツールを利用した可能性があるとカリー氏は言う。
身代金を支払って攻撃者から復号鍵を受け取っても、復号鍵がうまく機能せず、結局バックアップを利用してデータ復元を図る企業はあるとCybereasonはみる。そもそもバックアップという手はあるのに先に身代金を支払う背景には、ダウンタイム(システム停止の期間)によるビジネスへの悪影響を避けようとすることがあるとカリー氏は述べる。
Cybereasonによると、バックアップ自体がランサムウェアに感染したり、一部のデータ復元しかできないバックアップツールがあったりする。「『バックアップを利用したが駄目だった』という痛い目に遭わないためには復元の定期的なテストが重要だ」(カリー氏)
第3回は、サプライチェーンを狙ったランサムウェア攻撃の脅威を取り上げる。
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
チョープロではVPNによるリモートアクセス環境を構築していた。しかし、VPNによるセキュリティ対策に限界を感じたことから、VPNに頼らないシステム環境の構築を目指した。同社が実現した「従業員に意識させないセキュアな環境」とは?
猛威を振るうランサムウェア攻撃に対抗するためには、脅威の最新動向を知ることが重要になる。そこで2024年版の「ランサムウェアレポート」から「攻撃の標的」「ランサムウェアファミリー」「効果的な防御戦略」などを紹介する。
多方面で事業を展開する大和証券グループでは、セキュリティを強化するためにゼロトラストへの転換を図った。そこで、あるゼロトラストセキュリティソリューションを導入し、短期間で実現したという。選定の理由や導入の効果を解説する。
半田病院への攻撃をはじめとし、医療業界は依然マルウェア攻撃やDDoS攻撃といったサイバー脅威に頻繁にさらされている。IoTやデジタル治療も普及する中、患者の健康情報を犯罪者から守り、多様な規制にも対応するにはどうすればよいのか。
教育機関を狙うサイバー攻撃が増加傾向にある。教育活動の安全を守るためには、セキュリティ強化が不可欠だが、多くの教育機関でインシデントに対処できる人材が不足している。本資料では、この問題を解決した大手前学園の事例を紹介する。
「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ
ネットワークの問題は「帯域幅を増やせば解決する」と考えてはいないだろうか。こうした誤解をしているIT担当者は珍しくない。ネットワークを快適に利用するために、持つべき視点とは。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...