米国の2年制大学MVCCでは、パンデミックを機にテープシステムのある課題が浮き彫りになった。バックアップ用のストレージとしてテープシステムを利用してきた同校は、どう対処したのか。
各地でロックダウン(都市封鎖)を引き起こした新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるパンデミック(世界的大流行)は、組織のITにさまざまな変化をもたらした。米国の2年制大学Moraine Valley Community College(MVCC)にとって、パンデミックはバックアップシステムを見直すきっかけになった。
MVCCはテープによるバックアップシステムを使用してきた。同校でITインフラの責任者を務めるデニス・セージ氏によれば、IT部門のスタッフはテープシステムの運用管理に毎週30時間もの時間を費やしていた。テープシステムの運用に多大な負担がかかっていたところに、パンデミックが発生した。
パンデミックが継続する中で、MVCCはテレワークとオンライン講義を導入した。そのためIT部門は現場での手作業ができず、テープシステムの運用は維持できなくなった。代替策として検討したのは、手動操作が不要なバックアップシステムだ。これが同校の「クラウドストレージ戦略」につながった。
「テープドライブは老朽化が進み、講義のデータを登録するのが困難になっていた」と、セージ氏は語る。テープシステムの更改には、1万ドルの費用が必要だった。セージ氏のチームは新しいテープシステムを導入するのではなく、IT部門の予算内に収まり、かつ運用管理の作業時間を短縮できる代案を探した。
MVCCが最終的に選んだのは、バックアップツールベンダーRubrikと、クラウドストレージベンダーWasabi Technologiesのサービスを組み合わせたシステムだ。クラウドストレージとしてはさまざまな選択肢があるものの、「魅力的なシステムはそれほど多くなかった」とセージ氏は振り返る。
RubrikとWasabiのサービスを導入したことでテープシステムは不要になったため、MVCCはデータセンターのスペース縮小に成功した。
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