2021年、テープ規格「LTO」(リニアテープオープン)の出荷容量は前年比で約40%増の148EB(圧縮時)と急増した。LTOの規格は新しくなるたびにテープカートリッジ当たりの保存容量が増えているため、それが出荷容量を増やす要因になる。ただし本当に着目すべき点は、2021年にテープカートリッジの出荷本数も増えたことだ。これは普通の現象ではない。
LTOを策定する業界団体「LTO Program Technology Provider Companies」(以下、TPCs)によると、2021年のテープカートリッジの出荷数は約910万個で、前年比で約7%の増加になった。
テープの出荷容量が増えるのは、ストレージ全般への需要が高まる中では自然なことに見える。ただしLTOの規格は2、3年で新世代が登場し、そのたびにカートリッジ当たりの容量が大幅に増えているため、出荷容量は増えても出荷数は減少するのが通例だった。ところが2021年は、出荷容量だけではなく出荷数も増える事態になった。
例えば容量で見ると、2021年後半に出荷が開始した「LTO-9」は、テープカートリッジ当たりで圧縮時45TB、非圧縮時18TBの容量を提供する。前世代である「LTO-8」の圧縮時30TB、非圧縮時12TBと比べると大幅な増加だ。
調査会社Evaluator Groupのシニアアナリストであるクリスタ・マコンバー氏によると、幾つかの要因が2021年のテープ市場に影響を与えた。以下の通りだ。
マコンバー氏はLTO-9準拠品が発売したことが大きく影響したと分析する。「LTO-9は1世代前のテープカートリッジしかデータを読み込めないため、企業は新世代のテープ製品に全面的に移行するかどうか選択を迫られることになる」(同氏)
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