Google検索を支える重要な仕事をしているにもかかわらず、時給はたったの10ドル――。こうした現実に悩む非正規従業員がいる。労働組合と共に昇給を勝ち取った人々に、実態を聞いた。
Alphabetの従業員(契約社員や派遣社員を含む)を代表する労働組合Alphabet Workers Union-Communications Workers of America(AWU-CWA)は、Alphabetの子会社Googleで検索アルゴリズムの評価を担当する外部企業の従業員3000~5000人と共に給与交渉のための組織を結成し、昇給を勝ち取った。
Googleで検索アルゴリズムの評価を担当する「評価担当者」。人工知能(AI)モデルのトレーニングをサービスとして提供するRaterLabs(Appen傘下)の従業員が、この評価担当者として活躍している。
AWU-CWAの組合活動が始まってから、しばらくたった2022年10月、AWU-CWAの組合員はRaterLabsの経営幹部と面談し、低賃金と福利厚生不足に関する問題を提起した。その後、AppenとGoogleは昇給を発表したという。この昇給は2023年1月1日に施行した。
RaterLabsに雇用され、Googleで働く組合員のミシェル・カーティス氏はこう話す。「われわれが実施する評価担当者の業務は、Googleの成功に欠かせない。だがこの職に就いて以来、昇給が実施されたことは一度もない」
AWU-CWAの組合活動が始まったことで、「生計を立てるのに苦労している同僚が数百人に上り、中にはわずか10ドルの時給しかもらっていない労働者もいることが分かった」とカーティス氏は語る。「評価担当者の昇給を史上初めて獲得したことを誇りに思う」(同氏)
「14.5ドルへの昇給は第一歩にすぎない」とカーティス氏は考えている。この金額はGoogleが非正規従業員向けに設定した「15.0ドル」という最低賃金に達していない上に、まだ利用が認められていない福利厚生もあるからだ。「Googleに対し、約束した基本的な福利厚生を全ての労働者が確実に受けられるようにし、Appenに最終責任を負わせることを求める」と同氏は話す。)
後編は、給与交渉の末に昇給を勝ち取った、組合員の思いを紹介する。
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