Microsoftの「Azure OpenAI Service」の提供開始や、大日本印刷(DNP)が進めた基幹システムのクラウドサービス移行事例など、クラウドに関する主要なニュースを紹介する。
大手クラウドベンダーは、人工知能(AI)モデルを組み込んだクラウドサービスを拡充させつつある。Microsoftの「Azure OpenAI Service」は、AIベンダーOpenAIのAIチャットbot「ChatGPT」と同じAIモデルが利用可能なクラウドサービスだ。Azure OpenAI ServiceとChatGPTの違いとは何か。Azure OpenAI Serviceの提供開始や大日本印刷(DNP)のクラウドサービス導入事例など、クラウドサービスに関する主要なニュースを3つ紹介する。
Azure OpenAI Serviceは、OpenAIが開発したAIモデルを、Microsoftのクラウドサービス群「Microsoft Azure」のインフラで運用するサービス。プロンプト(質問や作業指示)を基に文章を生成する「GPT-3.5」に加えて、ソースコードを生成する「OpenAI Codex」、画像を生成する「DALL・E 2」などのAIモデルが利用可能だ。Azure OpenAI Serviceの利用にはMicrosoftによる承認を必要にしたり、不適切な内容を出力しないようにするセーフガード機能を設けたりすることで、悪意のある利用を抑止する。MicrosoftはAzure OpenAI Serviceの用途として、文書の要約や顧客応対、コーディングの自動化などを想定する。2023年3月時点では米国の一部のAzureリージョン(リージョン=地域データセンター群)で利用可能だ。Codexのバージョン「code-davinci-002」を利用する場合、利用料金は1000トークン(データ処理の単位)当たり0.1ドル。(発表:Microsoft<2022年1月16日>)
DNPは、7台の物理サーバによるデータベースインフラと、約600台の仮想サーバによる業務アプリケーションインフラを、オンプレミスインフラからOracleのクラウドサービス群「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)に移行した。従来のオンプレミスインフラは、社内のニーズに応じてサーバやストレージなどのハードウェアを調達する必要があり、運用負荷やコストが増大しがちな点が課題となっていた。OCIへの移行によって、インフラのTCO(総所有コスト)の削減や災害対策の強化を目指す。オンプレミスインフラの基幹システムでOracleのデータベース管理システム(DBMS)「Oracle Database」を利用していたことや、DNPが求めるセキュリティの要件が備わっていることが、OCI採用の決め手となった。東京リージョンと大阪リージョンの2カ所で基幹システムを稼働させることで、災害対策を強化している。(発表:大日本印刷<2022年1月17日>)
調査会社IDC Japanは2022年9月末時点の情勢を踏まえた、2023年の国内IT市場予測を発表した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)や円安の進行による物価の上昇、ロシア・ウクライナ戦争など、国内企業を取り巻く不安要素は少なくない。こうした中、国内企業は企業システムのクラウドサービスへの移行に加えて、サブスクリプション(定額課金)形式のインフラの採用によって、外部の要素に影響を受けにくいビジネス構造に変化していると同社は指摘する。IT市場をけん引する要因の一つとして、同社はインフラのクラウド化やサブスクリプション化が広がることに伴う、ソフトウェアやサービスの成長を挙げる。(発表:IDC Japan<2023年1月19日>)
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