Oracleは人材管理支援システム「Oracle Cloud HCM」に、AI技術を活用したセキュリティ機能を追加した。人事部門とIT部門にどのような利点がもたらされるのか。
Oracleは2022年2月、クラウド型の人材管理支援システム「Oracle Human Capital Management cloud」(Oracle Cloud HCM)のセキュリティ機能を追加した。Oracle Cloud HCMのモジュールの一つで、AI(人工知能)技術を使ったリスクマネジメントツールである「Oracle Advanced HCM Controls」が新機能を搭載した。どのような機能なのか。
Oracle Advanced HCM Controlsは、AI技術を使ったさまざまな機能を搭載している。例えば、グラフ分析(実体同士の関係を表したデータ構造から分析する手法)を用いた常時監視により、セキュリティの異常を検出する。他にも、事前にデータを与えて学習させる「教師あり学習」の機能や、統計アルゴリズムを用いた異常検知の機能を備える。
今回の機能追加により、Oracle Advanced HCM Controlsのユーザー企業は、従業員がデータを利用する時間や頻度、拠点の他、アクセス権限や職責などに基づきセキュリティリスクを特定できるようになった。この機能はAI技術を活用しており、従業員の行動が組織の標準的な行動から外れていれば人事担当者やIT管理者へアラートを発信する。企業の人事部門とIT部門は、両部門ともリスク評価を実施する必要がある。Oracleはこのアラート送信機能により、人事部門とIT部門の両部門を支援する。
「サイバーセキュリティは、もはやサイロ型(縦割り)の組織では強化できない」と、Oracleのリスククラウド戦略担当シニアディレクター、アマン・デソウザ氏は述べる。全員が責任を持ってサイバーセキュリティの改善に取り組むべきだと同氏は指摘する。
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