IBP(統合事業計画)ソフトウェアベンダーのAnaplanは、投資会社に約107億ドルで買収される。SAPやOracleと競合するAnaplanの今後はどうなるのか。
投資会社のThoma Bravoは、IBP(統合事業計画)ソフトウェアベンダーのAnaplanを約107億ドルで買収すると発表した。この買収は2022年前半に完了する見込みだ。Anaplanの株式はニューヨーク証券取引所で取引されているが、Thoma Bravoは買収完了後にAnaplanを非公開会社にする計画だという。
Anaplanの2022年度(2021年2月〜2022年1月)の売上高は5億9220万ドルだった。同社の公式Webサイトによると、同社は約2200人の従業員、約1900社の顧客を抱え、約180社のパートナー企業との協力体制を持つ。
Anaplanは、サプライチェーン最適化、財務計画・分析、販売・業務計画を組み合わせたIBPシステムをSaaS(Software as a Service)で提供している。同社は、各事業部門の計画を連携させた業務遂行の在り方を「コネクテッドプランニング」と呼ぶ。企業は事業部門をまたいだ計画を立案する際、Anaplanのサービスを利用することで、サプライチェーンの可視性の向上や財務分析の精度向上を目指すことができる。
IBPソフトウェアベンダーとしてはAnaplanの他、Blue Yonder、Coupa Software、E2open、Kinaxisなどがある。ERP(統合業務)システムを手掛けるSAP、Oracle、InforなどもIBP機能を提供している。
Anaplanのツールは、OracleやSAPといったERPの競合が持つ従来の財務機能に加え、サプライチェーン計画、販売・業務計画、人事計画、テリトリー(顧客領域)計画、コミッション計画、商品計画のための機能も備えている。これにより、販売・業務計画に強みを持つBlue YonderやKinaxisなどとも競合が可能となっている。
Thoma Bravoのマネージングパートナーであるホールデン・スパート氏は今回の取引を発表した声明で、「Anaplanはコネクテッドプラニング領域のリーダーだ」と述べている。「Thoma Bravoは企業向けソフトウェアに関する豊富な運用・投資の専門知識を生かして、Anaplanの今後の成長を支援する」と同氏はコメントした。
一方であるアナリストは、Anaplanの将来性についてはまだ不確かだと指摘する。買収後は、Thoma BravoがAnaplanの収益性向上を目的としたコスト削減を進め、最終的に同社を再売却する可能性があるためだ。
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