英国政府は、職員が業務で使用する公務用端末での「TikTok」使用を禁止した。背景には、SNSアプリケーションに関するある懸念が存在したという。どのような問題があったのか。
英国政府は2023年3月、政府の公務用端末における、ショート動画共有サービス「TikTok」の使用を禁止した。禁止に踏み切った背景にはどのような問題があったのか。
ランカスター公領相のオリバー・ダウデン氏は、TikTokの使用禁止について、セキュリティ面における「予防的措置」だと説明する。その上で、「政府はSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)アプリケーションのプライバシーポリシーを慎重に検討する必要がある」と警告する。
TikTokの使用禁止に先立って、英国家サイバーセキュリティセンター(NCSC:National Cyber Security Centre)はセキュリティ検証を実施。TikTokを中心としたサードパーティー製アプリケーションを公務用端末で使用することが誘発するリスクについて調査した。検証の結果、特定の主体が政府の重要データを閲覧、悪用するリスクがあることを明らかにした。
SNSのアプリケーションは、端末内の連絡先やコンテンツ、位置情報といったデータを収集して保存する。政府の公務用端末には重要なデータが存在する可能性があるため、英国政府は危険性のあるアプリケーションを規制することで、端末のセキュリティを強化する狙いだ。
「公務用端末は重要なデータを扱うという点を考慮すると、端末のデータにアクセスしたり、収集したりするアプリケーションの使用を制限することは、賢明かつ適切だ」とダウデン氏は話す。
TikTokの使用を禁止するルールは、政府機関が使用する公務用端末を対象とする一方で、政府機関職員や閣僚、一般国民が使用する私用端末は適用外だ。政府は場合により例外措置を取る可能性があるものの、ダウデン氏は詳細に触れていない。
第3回は、英国政府が実施したTikTok規制に対する批判と指摘を紹介する。
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