ついに出たGoogleのAI「Bard」の実力とは? ChatGPTと比べると……荒削りでもあなどれない「Bard」の可能性【前編】

ジェネレーティブAI市場を席巻するOpenAI「ChatGPT」の対抗策として、Googleが生み出したのが「Bard」だ。鳴り物入りで登場したBardの“今”の実力は、結局のところどうなのか。

2023年05月17日 08時15分 公開
[Esther AjaoTechTarget]

 Googleは2023年3月21日(米国時間、以下同じ)、AI(人工知能)チャットbot「Bard」を一般公開した。これによりジェネレーティブAI(生成AI:テキストや画像などを自動生成するAI技術)の競争は、かつてないほど激しくなった。

「Bard」を専門家が“正直”に評価 ChatGPTと比べると……?

 Bardの一般公開は、AIベンダーOpenAIが2023年3月14日に、大規模言語モデルの最新版「GPT-4」の提供を始めた1週間後のことだ。原稿執筆時点で、同社はAIチャットbot「ChatGPT」の有償プラン「ChatGPT Plus」およびAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)を通じて、GPT-4を提供している。

 AIチャットbotの利用を検討するエンドユーザーは、BardとChatGPTの双方を比較することになる。ただしBardはまだ初期段階にあり、少なくとも原稿執筆時点では、ChatGPTの足元にも及ばないというのが専門家の見方だ。

 「Bardがまだ開発途上の製品であることは間違いない」と、調査会社Forrester Researchのアナリスト、ローワン・カラン氏は語る。カラン氏によると、ChatGPTの機能を基にしたMicrosoftの検索エンジン「Bing」と同様、Bardはエンドユーザーからの質問(プロンプト)に対して、さまざまな形での応答を試みる。

 BingのAIチャットbot機能と比べると、原稿執筆時点でのBardは、応答の正確性や網羅性に難があるとカラン氏は説明する。例えばBardは、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の特定のアカウントについて、アカウント名を答えることはできても、そのアカウントにひも付く人物の情報を適切に答えられない可能性があるという。「Bardはまるで、BingのAIチャット機能がまだ社内β版だったときの状態のようだ」と同氏は語る。


 次回は、BardがジェネレーティブAI市場で“逆転勝利”を収める可能性を考察する。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

譁ー逹€繝帙Ρ繧、繝医�繝シ繝代�

製品資料 AvePoint Japan株式会社

生成AIの落とし穴、“過剰共有”のリスクと防止策

適切に生成AIを使いこなすために、情報には「共有範囲」を設定することが重要となるが、管理が不十分だと“過剰共有”の状況が発生する。過剰共有は社内での情報漏えいにつながる可能性もあるため、十分な対策が必要となる。

製品資料 東京エレクトロン デバイス株式会社

生成AI活用の鍵、セキュリティと利便性を両立するための方法とは?

生成AIの活用には機密情報漏えいなどのリスクがあるため、利用を制限しているケースもある。しかし、完全に利用を制限してしまうと競合に後れを取る可能性がある。そこで重要なのが、セキュリティと利便性を両立できるような環境構築だ。

市場調査・トレンド 日本オラクル株式会社

今後のAI活用はどう進化する? AIがビジネスにもたらす10の価値と活用例

昨今、多くの組織がAIエージェントや生成AIをビジネスに活用しつつある。今後はAIをどうビジネスに組み込んでいくかが、組織が飛躍するためのポイントになるだろう。そこで本資料では、AIがもたらす10のビジネス価値を解説する。

製品資料 株式会社Zendesk

FAQやチャットへのAI導入でカスタマーサービスを次世代化、CXはどれだけ高まる

顧客体験(CX)を向上させるための手段として、広く注目されつつあるAIだが、実際にFAQやチャット/チャットbotにAIを導入することで、CXはどれだけ高まるのか。次世代のカスタマーサービスの作り方と、そのメリットを探る。

製品資料 NECネッツエスアイ株式会社

Zoomの新機能はもう使っている? 動画で分かる「生成AI機能による資料作成」

営業資料や議事録といった資料作成において、生成AIへの期待が高まっている。中でも注目したいのがZoomの生成AI機能だ。会議データからの資料作成は、生成AI活用でどのように効率化されるのか。動画で紹介する。

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

繧「繧ッ繧サ繧ケ繝ゥ繝ウ繧ュ繝ウ繧ー

2025/04/22 UPDATE

ITmedia マーケティング新着記事

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news130.jpg

Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...