「AWS Cost Explorer」は、AWSサービスのコストを監視して分析するためのツールだ。主な機能と、AWSコストの削減に役立てるためのポイントを説明する。
Amazon Web Services(AWS)は、自社サービスを適切なコストで利用できるようにするためのコスト管理ツールを幾つか提供している。本稿はその中から「AWS Cost Explorer」の機能と特徴を説明する。
AWS Cost Explorerは、利用中のAWSサービスのうち、どのサービスにどのくらいコストが掛かっているのかを把握するのに役立つ。現在や過去のコストを視覚的に表示する。1日単位または1カ月単位のコストを表示したり、将来のコストと使用量を予測したりする機能を搭載する。IT管理者はAWSサービスやAWSアカウント、リージョン(地域データセンター群)、インスタンス(稼働中の仮想マシン)のタイプ(スペック)など、幾つかの項目でコストをフィルタリングできる。
もう一つのAWSのコスト管理ツール「AWS Compute Optimizer」が提案する推奨事項を、AWS Cost Explorerで表示することが可能だ。ただしAWS Cost ExplorerとAWS Compute Optimizerのそれぞれが提供する情報や利用可能な機能は異なる。AWS Cost Explorerを介してAWS Compute Optimizerの機能を利用することで、アイドル(待機)状態のインスタンスを検索したり、「Savings Plans」などの割引を伴う料金モデルの採用で削減可能なコストを計算したりできる。これらの機能は、AWS Compute Optimizer単体では利用できない。
IT管理者はAWS Cost Explorerの管理画面を通して各AWSサービスのコストを把握し、異常に高額な支払いが発生しているサービスがあれば迅速に特定できる。発生するコストを1時間単位で表示する機能を利用すれば、AWSサービスのコストが高くなる時間帯や、コスト高騰を招く利用方法を特定するのに役立つ。
後編は、AWS Compute OptimizerとAWS Cost Explorerの利用を開始する方法と、両ツールを有効活用するためのポイントを説明する。
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