「AWS」「Azure」「GCP」を安く使う方法【前編】
AWSが安くなる「リザーブドインスタンス」「スポットインスタンス」「Savings Plans」とは
AWSには利用料金の割引プログラムが幾つかある。それぞれどのような条件で、どの程度の割引が受けられるのか。主な割引プログラム「リザーブドインスタンス」「スポットインスタンス」「Savings Plans」を紹介する。
クラウドサービスは、利用したい分だけ利用できるメリットがある。しかしオンデマンドで利用できるリソースのコストはあっという間に跳ね上がる。そのためオンプレミスのインフラよりもクラウドサービスを利用する方が、トータルコストが高くつくことは珍しいことではない。
大手クラウドベンダーのAmazon Web Services(AWS)とMicrosoft、Googleは、将来に決まった量のリソース購入を確約するか、リソースの可用性に関する制約を許容することで、仮想マシン(VM)の利用料金の割引を受けられる仕組みを用意している。
クラウドサービスの導入や利用拡大を検討する企業は、各ベンダーが用意する割引プログラムを理解しておくことが重要になる。前後編にわたり、AWS、「Microsoft Azure」「Google Cloud Platform」の3大クラウドサービスで利用できる主要な割引プログラムを確認する。前編に当たる本稿は、AWSの主な割引プログラムを紹介する。
AWSの3つの割引プログラム
Amazon EC2リザーブドインスタンス
AWSは仮想マシン(VM)サービス「Amazon EC2」向けに幾つかの割引プログラムを用意している。その一つである「Amazon EC2 Reserved Instances」(RI:Amazon EC2リザーブドインスタンス)は、通常のインスタンス(仮想サーバ)料金プラン「On-Demand Instances」(オンデマンドインスタンス)と比べて大幅な割引が受けられる。将来の利用に備えてインスタンスのリソースを予約することで、払い戻しが不可能な代わりに格安の料金で提供する。
RIはさまざまな種類があり、複雑だ。標準的なRIである「Standard RIs」(スタンダードRI)は、最大でオンデマンドインスタンスの料金の72%分という大幅な割引を適用する。ただし購入後のインスタンスの種類の変更は基本的にはできない。
割引率は低くなるが、インスタンスの予約後に料金が同等以上の別のインスタンスに変更できる「Convertible RIs」(コンバーティブルRI)というRIもある。どちらのRIでも、企業が必要なインスタンスのスペックを正確に予測できる安定したワークロード(アプリケーション)用に使うことをお勧めする。
「Scheduled RIs」(スケジュールされたRI)というRIもある。スケジュールされたRIはインスタンスを実行する時間や頻度を事前に決めておくことで、割引が受けられる。
Amazon EC2スポットインスタンス
「Amazon EC2 Spot instances」(Amazon EC2スポットインスタンス)という割引プログラムを利用すれば、オンデマンドインスタンスの料金の最大90%分という、RIよりも大幅な割引が受けられる。スポットインスタンスは、AWS内の未使用のリソースを使用することで割引を受ける仕組みだ。可用性と料金は、特定のリージョン(地域データセンター群)全体のリソースの需要によって変動する。
高い割引率の半面、スポットインスタンスの制約事項は比較的大きい。AWSはリソースの使用に関して、スポットインスタンスで契約したインスタンスよりも、オンデマンドインスタンスで契約したインスタンスに高い優先度を設定する。スポットインスタンスで契約したインスタンスの場合、AWSが予告なく停止することがある。
このような理由から、スポットインスタンスは、リソースの継続利用が重要なワークロードには適さない。オンデマンドインスタンスと組み合わせて、トラフィック(データ量)の急増に合わせてリソースを拡張するための手段として使用できる。コンテナアプリケーションやデータの分析処理、テスト・開発環境などでの使用にも適する。
Savings Plans
「Savings Plans」は2019年11月から利用可能になったAWSの割引プログラムだ。Amazon EC2で最大72%分と、RIと同等の割引が受けられる。割引対象のAWSサービスはAmazon EC2の他、イベント駆動型コード実行サービスの「AWS Lambda」とコンテナ実行用インスタンスのマネージドサービス「AWS Fargate」がある。
ユーザー企業がSavings Plansの料金で各AWSサービスを利用するには、1年または3年の期間にわたって決まった規模のリソースの使用を確約することが必要だ。確約した分のリソースの使用に対してSavings Plansの料金が適用され、この範囲を超えて使用したリソースはオンデマンドインスタンスの料金が適用される。
Savings Plansには「EC2 Instance Savings Plans」と「Compute Savings Plans」があり、企業はこのいずれかを選択できる。これらは、それぞれスタンダードRIとコンバーティブルRIに似ている。Compute Savings Plansは契約後もインスタンスのスペックを変更できるが、割引率はEC2 Instance Savings Plansより低くなる。
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