「M2 Ultra」は、Appleの技術がぎっしり詰まったSoCだ。先代の「M1 Ultra」から着実に進化した、M2 Ultraのスペックを見てみよう。
AppleのSoC(統合型プロセッサ)「M2 Ultra」は、先代に当たる「M1 Ultra」と比べて、全般的にスペックが向上した。「M2 Ultraのスペックは、Appleがプロセッサ分野における自社技術の優位性維持に力を入れていることを示している」。調査会社Futurum GroupのCEO兼アナリスト、ダン・ニューマン氏はこう語る。
「CPU(中央処理装置)やGPU(グラフィックス処理装置)と『Neural Engine』を組み合わせ、処理速度やメモリ帯域幅(データ転送速度)を強化したことで、M2 Ultraは非常に強力なSoCになった」。Appleのハードウェアテクノロジー担当シニアバイスプレジデント、ジョニー・スルージ氏はこう語る。Neural Engineは同社製SoCの一部となっているシステムであり、主に機械学習関連の処理を担う。
処理速度を向上させるために、M2 UltraはAppleのSoC「M2 Max」(パッケージ前のシリコンダイの状態)2基を接続した構造を取る。プロセッサ間接続には、同社のインターコネクト技術「UltraFusion」を使う。M2 Ultraは最大192GBのメモリを搭載でき、800GBpsのメモリ帯域幅を実現する。24個のCPUコアを搭載しており、そのうち16個が処理速度を重視したCPUコアで、8個が電力効率を重視したCPUコアだという。
ITコンサルティング会社J. Gold Associatesのアナリスト、ジャック・ゴールド氏は、M2 Ultraについて「スペックを見るだけで評価するのは難しい」と主張する。M2 Ultraがどのような効果を発揮するのかを判断するには「エンドユーザーに使ってもらわなければならない」というのがゴールド氏の考えだ。
後編は、IntelやAMD(Advanced Micro Devices)をはじめとする専業ベンダーのプロセッサと、M2 Ultraの違いを探る。
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