Apple「M2 Ultra」のすごい中身とは? 「M2 Max」×2の“変態”プロセッサAppleの新SoC「M2 Ultra」とは【前編】

「M2 Ultra」は、Appleの技術がぎっしり詰まったSoCだ。先代の「M1 Ultra」から着実に進化した、M2 Ultraのスペックを見てみよう。

2023年07月22日 09時30分 公開
[Ed ScannellTechTarget]

 AppleのSoC(統合型プロセッサ)「M2 Ultra」は、先代に当たる「M1 Ultra」と比べて、全般的にスペックが向上した。「M2 Ultraのスペックは、Appleがプロセッサ分野における自社技術の優位性維持に力を入れていることを示している」。調査会社Futurum GroupのCEO兼アナリスト、ダン・ニューマン氏はこう語る。

気になる「M2 Ultra」の中身とは?

 「CPU(中央処理装置)やGPU(グラフィックス処理装置)と『Neural Engine』を組み合わせ、処理速度やメモリ帯域幅(データ転送速度)を強化したことで、M2 Ultraは非常に強力なSoCになった」。Appleのハードウェアテクノロジー担当シニアバイスプレジデント、ジョニー・スルージ氏はこう語る。Neural Engineは同社製SoCの一部となっているシステムであり、主に機械学習関連の処理を担う。

 処理速度を向上させるために、M2 UltraはAppleのSoC「M2 Max」(パッケージ前のシリコンダイの状態)2基を接続した構造を取る。プロセッサ間接続には、同社のインターコネクト技術「UltraFusion」を使う。M2 Ultraは最大192GBのメモリを搭載でき、800GBpsのメモリ帯域幅を実現する。24個のCPUコアを搭載しており、そのうち16個が処理速度を重視したCPUコアで、8個が電力効率を重視したCPUコアだという。

 ITコンサルティング会社J. Gold Associatesのアナリスト、ジャック・ゴールド氏は、M2 Ultraについて「スペックを見るだけで評価するのは難しい」と主張する。M2 Ultraがどのような効果を発揮するのかを判断するには「エンドユーザーに使ってもらわなければならない」というのがゴールド氏の考えだ。


 後編は、IntelやAMD(Advanced Micro Devices)をはじめとする専業ベンダーのプロセッサと、M2 Ultraの違いを探る。

関連キーワード

Apple | Mac | CPU | GPU


TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia マーケティング新着記事

news132.jpg

ハロウィーンの口コミ数はエイプリルフールやバレンタインを超える マーケ視点で押さえておくべきことは?
ホットリンクは、SNSの投稿データから、ハロウィーンに関する口コミを調査した。

news103.jpg

なぜ料理の失敗写真がパッケージに? クノールが展開する「ジレニアル世代」向けキャンペーンの真意
調味料ブランドのKnorr(クノール)は季節限定のホリデーマーケティングキャンペーン「#E...

news160.jpg

業界トップランナーが語る「イベントDX」 リアルもオンラインも、もっと変われる
コロナ禍を経て、イベントの在り方は大きく変わった。データを駆使してイベントの体験価...