AppleのM1 Ultra版「Mac Studio」が欲しくなる、“Intel版以上”の実力とは?“最強M1”搭載のワークステーション

Appleは独自SoC「M1 Ultra」を内蔵したワークステーション「Mac Studio」を投入した。同社肝いりのM1シリーズの最高峰であるM1 Ultraを備えたMac Studioは、どのようなことを実現するのか。

2022年04月16日 10時30分 公開
[Maxim TamarovTechTarget]

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 Appleは「Apple M1 Chip」(Apple M1チップ、以下M1)の最新版を、ワークステーション「Mac Studio」に搭載する。M1は、同社が独自開発したSoC(プロセッサなどシステムの構成要素を1つのシリコンチップに集約した製品)だ。Mac Studioのデータ処理能力を高め、グラフィックデザイナーや動画編集者に売り込む。

 2022年3月8日(米国時間、以下同じ)、AppleはM1の最新版「M1 Ultra」を発表した。M1 Ultra は、M1シリーズの最上位モデル「M1 Max」2基を、同社独自アーキテクチャによって相互接続した構造だ。消費電力を抑えつつ、性能の向上を追求している。同社はM1 Ultraを初めて搭載した製品として、2022年3月18日にMac Studioを発売した。

Intel版の「3つのネック」を解消 クリエイティブの心をつかめるのか?

 M1 Ultraは、グラフィックスレンダリング(画像や映像の処理)の速度向上に力を発揮する。動作に伴う発熱を抑えつつ、大規模な3D(3次元)モデルの処理や動画編集といった作業をしやすくする設計だ。調査会社Gartnerのアナリスト、北川 美佳子氏は「Intelプロセッサ搭載機種にあった『レンダリングに時間がかかる』『音が大きい』『熱くなる』といった課題を解消し、クリエイティブプロフェッショナルが求めるスペックを目指した」と述べる。

 構成としてM1 Ultraは最大128GBのユニファイドメモリ(複数種類のプロセッサが共有可能なメモリ)や20コアのCPU(中央処理装置)、64コアのGPU(グラフィックス処理装置)を採用。Appleによると、1秒当たり最大22兆回の演算処理ができる。今回、M1 Ultraが仲間入りしたM1シリーズは、Appleが2020年に投入した。同社は高性能と省電力の両立を図り、同社製デバイスの魅力を高める切り札として、M1シリーズを位置付けている。

 調査会社IDCによると、2021年第4四半期(10月〜12月)の世界PC市場(販売台数)でAppleのシェアは前年同期比0.6ポイント増の8.2%だった。AppleがM1シリーズ搭載の製品を充実させていることが寄与したとみられる。

 Mac Studioは筐体(きょうたい)の縦横を19.7センチ、高さを9.5センチに抑えた。Gartnerの北川氏によれば、ワークステーションではこのサイズは際立っている。他には「Thunderbolt 4」ポートや「10Gb Ethernet」ポートを採用。価格(Apple公式サイトでの国内税込み価格、以下同じ)は、M1 Ultraを搭載した機種は49万9800円。

 AppleはMac Studio向けディスプレイ「Studio Display」の新製品も発売した。解像度約1470万ピクセルの27型画面を備える他、高音質のマイクやスピーカーを備える。価格は19万9800円から。

変更履歴(2022年4月22日12時58分)

記事公開当初、本文で「Mac StudioにはこれまでIntelのプロセッサを使用していた」と記載していましたが、記事公開時点までにMac StudioのIntelプロセッサ搭載モデルは発売されていません(Mac Studioは2022年3月発売の新製品です)。おわびして訂正します。本文は修正済みです。

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