「量子コンピュータ」実用化へ【第1回】
「量子コンピュータ」の現状とは IBMとQuantinuumの製品から理解する
量子コンピュータの実用化に向けた取り組みが進んでいる。主要ベンダーであるIBMとQuantinuumが2021年に発表した関連製品や技術から、量子コンピュータの動向を探る。
量子力学の原理を利用したコンピュータである「量子コンピュータ」。その実用化に向けて取り組むIBMとQuantinuumは2021年に、量子コンピュータ関連技術や製品を相次いで公開した。
IBMが「100量子ビットの壁」を突破 量子コンピュータ製品の現状は
2021年11月、IBMは「100量子ビットの壁」(量子ビット:量子コンピュータが扱う情報の最小単位)を突破する、127量子ビットの量子コンピュータ用プロセッサ(量子プロセッサ)「Eagle」を発表した。冷却装置ベンダーのBlueforsと共同開発した冷却技術により極低温を保つことで、システムの計算能力を維持する。同社は2022年に433量子ビットの「Osprey」、2023年に1121量子ビットの「Condor」を発表するロードマップを示している。
「複雑な問題の解決に十分な処理速度を出せるようにするために、可能な限り多くの量子ビットを実現できるようにした」。IBMのチーフ・クオンタム・エクスポーネントとして量子コンピュータの開発に携わるボブ・スーター氏は、Eagleについてこう説明する。「これは量子コンピュータの拡張性に関わる重要な進歩だ」(スーター氏)
Quantinuum傘下のCambridge Quantumは2021年に、量子コンピュータのみで動作する暗号鍵の生成システム「Quantum Origin」を発表した。同社はQuantum Originをサービスとして提供する。「量子コンピュータで完全に実行可能なサービスは画期的だ」と、調査会社Futurum Researchの共同設立者でプリンシパルアナリストのダン・ニューマン氏は話す。Quantum Originは公開鍵暗号の「RSA」や共通鍵暗号の「AES」(Advanced Encryption Standard)など、既存の複数の暗号アルゴリズムが利用できる。
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