量子コンピュータの実用性を測る新指標「量子ボリューム」とはIBMが語る「量子コンピュータ」実用化への道筋【前編】

IBMは量子コンピュータの取り組みを進めている。量子コンピュータの開発状況と新指標「量子ボリューム」について、同社の量子コンピュータ戦略責任者が語る。

2019年12月23日 05時00分 公開
[Ed ScannellTechTarget]

 2019年9月末、IBMは量子コンピューティング戦略を前進させ、同社初の53物理量子ビットのモデルを含む新しいシステムを発表するとともに、米ニューヨーク州北部に「IBM量子コンピュテーション・センター」(IBM Q Quantum Computation Center)を開設した。

 IBMは新システムと合わせて、新指標「量子ボリューム」(Quantum Volume)も発表した。これは量子コンピューティングシステムの全体的な性能を、速度やパフォーマンスの枠を超えてより正確に判断するための指標だ。この指標は、「量子優位性」(Quantum Advantage)の実現に向けた進捗状況を示す役割を果たす。量子優位性とは、特定の問題を解決するときに、量子コンピュータが古典システムの性能を上回ることを指す。

 ボブ・ストール氏は、IBM基礎研究所で、量子コンピュータの戦略とエコシステム部門のバイスプレジデントを務める。本稿では同氏に、量子計算科学の進化や、新指標の量子ボリュームについて話を聞いた。

―― 53物理量子ビットシステムの登場は量子開発者にとってどのような意味があるのでしょう。

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