IBMの量子コンピュータロードマップ【前編】
1000量子ビット超え「Condor」の前に出る、IBM「Hummingbird」「Eagle」「Osprey」の基礎
IBMが示す量子コンピュータ関連技術のロードマップには、幾つかの具体的な製品名が並ぶ。2023年までのロードマップにある「IBM Quantum Condor」「同Hummingbird」「同Eagle」「同Osprey」をざっくりと説明しよう。
IBMは2023年までの量子コンピュータ(量子力学の原理を利用したコンピュータ)のロードマップを発表した。このロードマップは1121量子ビット(量子ビット:量子コンピュータが扱う情報の最小単位)の量子コンピュータ用プロセッサ(以下、量子プロセッサ)で頂点を迎える。
併せて読みたいお薦め記事
IBMの量子コンピュータ戦略
「量子コンピュータ」実用化への道筋
2023年後半に登場するこの量子プロセッサの名称は「IBM Quantum Condor」だ。Condorによって、複雑な問題の解決を阻む技術的障壁を克服できるとIBMは説明する。
「Condorは最速のスーパーコンピュータでさえ解けない問題の解決策を提案する能力を備える。量子誤り修正や拡張の能力を示す転換点になる可能性がある」。IBMの量子コンピューティング担当バイスプレジデント、ジェイ・ガンベッタ氏は、同社が2020年9月15日~17日に開いた量子コンピュータイベント「IBM Quantum Summit」でそう語った。
Condorの前に登場する「Hummingbird」「Eagle」「Osprey」とは
Condorが登場する2023年より前に、IBMは量子コンピュータに関する製品を順次市場投入する。
IBMは2020年9月上旬、同社が運営する量子コンピュータの業界団体「IBM Q Network」の取り組みの一環として、開発者向けに65量子ビットの量子プロセッサ「IBM Quantum Hummingbird」の提供を始めた。IBM Quantum Hummingbirdは、8つの異なる量子ビットの読み出し信号を1つにまとめることができる。IBMによると、これで量子ビットの読み出しに必要な配線や部品の量を減らすことができ、システムの拡張能力が高まる。
2022年には127量子ビットの量子プロセッサ「IBM Quantum Eagle」が登場する。IBM Quantum Eagleは、従来型コンピュータでも使われるリアルタイム並列計算機能が利用でき、従来よりも多くの量子回路やコードの実行が可能になる。
IBMが「433量子ビットのシステム」と説明する「IBM Quantum Osprey」の登場も2022年だ。IBM Quantum Ospreyは効率的で緻密な制御が可能なことや高い冷却性能を特徴とし、ノイズの発生を抑えながらプロセッサをスケールアップできる。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[o9ソリューションズ・ジャパン株式会社] 「改正物流効率化法対策」徹底解説 総物流費を抑制するサプライチェーン戦略 -
製品資料
[o9ソリューションズ・ジャパン株式会社] 「サプライチェーン最適化」実践ガイド:効果的な意思決定を実現する秘訣とは? -
製品資料
[株式会社リンプレス] 非デジタル/IT人材を「自走するDX推進者」に変えるための育成ロードマップ -
市場調査・トレンド
[ワンアイルコンサルティング株式会社] AI時代の組織設計:「判断と責任」を人に残すための2つの原則とは? -
技術文書・技術解説
[ワンアイルコンサルティング株式会社] システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「AIバブル」は崩壊するのか? 熱狂の後に来る“尻拭い”と4つの防衛策
-
2
「完璧な設計」なのに3000万円溶けた AWSの失敗事例から学ぶ3つの教訓
-
3
パナソニックが国内製造26拠点のERPを「SAP S/4HANA」に統一 アドオン7割削減
-
4
「コピペ運用の限界」に直面するAI活用 7割超が“別画面”のまま使う理由は?
-
5
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
6
【お知らせ】「クラウドインフラに関するアンケート調査」結果リポート
-
7
自律型AIエージェントの特徴として最も適切なものは?
-
8
守るべきは「開発者のフロー状態」 AIによる生産性改善の6施策
-
9
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
-
10
データを無断で暗号化し使用者に身代金を要求する詐欺に用いられるマルウェアとは?
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
2
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
3
生成AIで文書活用を進めるには? 効率化と安全性をどう両立する
-
4
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
-
5
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
6
「Google Workspace」活用事例34選、先進の生成AIによる組織変革の全貌
-
7
「人員を増やす」という選択肢はない 情シスが負の連鎖から抜け出すには?
-
8
Linuxのスキルを証明する“激推し”の認定資格はこれだ
-
9
「問題が深刻化しやすいプロジェクト管理」から脱却する方法とは?
-
10
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー