Microsoftは「Teams」と「Outlook」を強化し、ハイブリッドワーク向けの機能を充実させる。「今日はテレワークか、オフィスワークか」を気軽に選びやすくする、会議の調整機能やWeb会議の画面レイアウトとは。
Microsoftは、テレワークとオフィスワークを組み合わせた「ハイブリッドワーク」に伴う業務課題の解決を目指した新機能を、2022年第2四半期(2022年4月〜6月)に順次提供する。Microsoftが2022年3月16日に公開したブログエントリ(投稿)によれば、ユニファイドコミュニケーション(UC)システム「Microsoft Teams」、メールクライアント「Microsoft Outlook」などのアップデートを通じて、テレワーカーとオフィスワーカーの両方が平等な立場で協力して作業できるようにするための機能改善を進め、働き方をハイブリッドワークへと切り替える企業を支援する。
人材確保が厳しい状況で従業員を引き付けるために、ハイブリッドワークの選択肢を用意する企業が増える可能性がある。コンサルティング会社PricewaterhouseCoopers(PwC)が2021年1月に発表した調査レポートによれば、オフィスワーカー1200人のうち55%が、週に3日のテレワークを望むと回答した。
MicrosoftによるTeamsのアップグレード計画には、会議室用デバイス「Microsoft Teams Rooms」の変更も含まれている。Teamsには、リモートでの参加者とオフィスからの参加者との公平感を確保する機能改善が加わる見込みだ。Teamsの画面レイアウトに「最前面行」が加わり、オフィスの会議室から参加するメンバーと同じ視線の高さにリモート出席者を配置することができるようになる(画像)。調査会社Metrigyのアナリスト、アーウィン・レザー氏は「自宅にいる人とオフィスにいる人との間にある障壁をなくす上で、この表示方法は大いに役立つはずだ」と述べる。
Teams Roomsには、オフィスから自分のPCやスマートフォンで参加する出席者に対して、Webカメラをオンにするよう促す機能が加わる。これは、リモート参加者がオフィス参加者のボディーランゲージをより多く読み取れるようにするための仕組みだ。
同様の機能は、Teamsの競合製品にもある。Zoom Video Communicationsの「Zoom」やCisco Systemsの「Cisco Webex」には、AI(人工知能)技術を使って、Web会議のリモート参加者がオフィス参加者の身ぶり手ぶりや表情を読み取れるようにする機能がある。オフィス参加者の顔を1人ずつ個別のフレームで表示する機能も、ZoomとCisco Webexともに実装している。
Outlookには、従業員がテレワークの日とオフィスワークの日を決めやすくするRSVP(出欠の返事要求)機能が加わる。これを利用すると、会議への招待に対して「はい」「いいえ」で出欠の返事ができ、オンライン参加するか否かの希望も確認できる。Microsoftのバイスプレジデントであるジャレッド・スパタロ氏は「管理職はオフィスを『通勤する価値のある場所』にしなければならない」と話す。
後編も、Microsoftが2022年第2四半期に提供するハイブリッドワーク支援機能を解説する。
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