AppleのArmベースSoC「M1」を搭載した「Mac」には、従来のIntelプロセッサ向けアプリケーションを稼働させる仕組みが備わる。その実効性によって、M1搭載Macの評価が変わる可能性がある。
Appleの「Apple M1 Chip」(Apple M1チップ、以下M1)は、Appleが社内設計したSoC(プロセッサなどシステムの構成要素を1つのシリコンチップに集約した製品)だ。前編「Appleの“Intel離れ”は良い決断なのか? 『M1搭載Mac』から占う」は、M1を搭載したデスクトップ/ノート型デバイス「Mac」シリーズがユーザーにもたらす影響を説明した。まだはっきり分からないのは、従来のMacが搭載していたIntelプロセッサ向けのアプリケーションが、M1でどの程度うまく機能できるかだ。
Intelプロセッサ向けに開発されたアプリケーションをM1向けに自動変換するソフトウェア「Rosetta 2」によって、ほとんどのMacプログラムを確実に動作できるようにするとAppleは説明している。Rosetta 2は初代「Rosetta」と同じ役割を担う。Rosettaは、AppleがIBMのプロセッサ「PowerPC」からIntelチップに切り替えた際に、アプリケーションの互換性を保証する目的で使われた。
それでもアナリストは、今回の切り替えが原因で、レガシーアプリケーションに依存している企業は互換性問題に見舞われる可能性があると予想する。Appleが最初にこの発表をした時点で、調査会社Forrester Researchのアナリスト、フランク・ジレット氏は、大部分がRosetta 2のエミュレーションの品質に左右されると予想した。
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