「Windows 7」を2023年1月まで安全に使う方法 いまさら聞けない「ESU」とは?「Microsoft 365」による「Windows 7」延命策【前編】

「Windows 7」の公式サポートは終了した。ただし「Microsoft 365」を契約すればWindows 7を安全に使い続けることが可能だという。どういうことなのか。

2020年12月28日 05時00分 公開
[Reda ChouffaniTechTarget]

 サポートが終了した今でも「『Windows 7』の安定性が高い」と評価するユーザーが少なくない。「Windows 10」へのアップグレードにかかるコストを回避するために、Windows 7を使い続ける組織もある。だがWindows 10にアップグレードしなければセキュリティの問題を抱える懸念は残る。

Windows 7を安全に延命できる「ESU」とは

 MicrosoftによるWindows 7のサポートは2020年1月に終了したため、更新プログラムを受けることはできなくなった。ただしその後Microsoftは、OSやオフィススイートなど同社の各種製品・サービスをバンドルした「Microsoft 365」で、2023年1月までWindows 7のセキュリティ更新プログラムを受信できる「拡張セキュリティ更新プログラム」(ESU)を提供している。

 これを踏まえてWindows 7の利用を継続するためにMicrosoft 365の導入を検討しようと考える組織もあるだろう。ただしESUに投資する価値があるかどうかを慎重に見極める必要がある。

 Windows 7の継続使用は、IT部門の運用管理における要望を考慮することなく決定されることが少なくない。OSの変更に伴うアプリケーションの互換性維持やコストの抑制は、運用管理の効率化よりも重要視される傾向にあるからだ。

 業務上重要だがWindows 10で正常に動作しないレガシーアプリケーションの利用を継続するならば、組織にとってはWindows 7からWindows 10へアップグレードしない理由になる。そうした場合にESUを利用すれば、Windows 7を引き続き使用し、OSを保護するために必要なセキュリティ更新プログラムを受け取ることができる。

 Windows 7ではMicrosoftから広範なOSの更新プログラムを受け取ることはできなくなった。ただしESUを利用すれば、Microsoftが新しいセキュリティの問題を発見したときに、対象のWindows 7に最新のセキュリティ更新プログラムを適用できる。

 Microsoftが提供するWindows 7向けのESUは、OSのアップグレードを先延ばしにする組織にとっては救済措置だ。ESUの利用を検討する際は、Windows 10に直接アップグレードする場合のコストと、Microsoft 365の月額料金として発生するユーザー数分のコストを比較検討する必要がある。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news171.png

2024年のGW予算は横ばい 賃上げよりも物価高と円安の影響が勝る?――インテージ調査
インテージが全国の15歳から79歳の男女を対象に実施したゴールデンウイークに関する調査...

news148.jpg

CNN幹部が語る、メディアビジネスにとってのAIのリスクと機会
生成AIがコンテンツを量産し、真偽の明らかでない情報があふれかえる中、メディアの価値...

news016.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2024年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。