Meta(旧Facebook)が“AIスパコン”を独自開発 その目的は?Metaが手掛けるスパコン開発【第1回】

Meta Platformsは、機械学習モデルをトレーニング可能なスーパーコンピュータ「AI Research SuperCluster」(RSC)の開発を進めている。専門家が考える、同社にRSCが不可欠な理由とは。

2022年04月18日 10時15分 公開
[Esther Ajao, Ed ScannellTechTarget]

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 2022年1月、Meta Platforms(旧Facebook)は人工知能(AI)システム向けスーパーコンピュータ「AI Research SuperCluster」(RSC)の完成が間近であることを、公式ブログのエントリ(投稿)で発表した。同社はRSCを、自然言語処理(NLP)とコンピュータビジョン(コンピュータによる画像認識)の大規模な機械学習モデルのトレーニングに使用するという。

 RSCの目的は

  • リアルタイム音声翻訳を実現する機械学習モデルの構築
  • 共同研究
  • メタバース(巨大仮想空間)用の新技術の開発

を支援することだ。MetaはRSCによって、メタバース(巨大仮想空間)市場の支配権を握ろうとしている。

だからMetaは“AIスパコン”を自作する

 「Metaの『Facebook』『Instagram』といったサービスの拡充には、ディープラーニング(深層学習)による巨大な機械学習モデルのトレーニングが欠かせない」。調査会社Gartnerでアナリストを務めるチラーグ・デケイト氏はそう語る。機械学習の一種であるディープラーニングは、画像認識、映像認識、音声翻訳などに使われている。

 デケイト氏によると、ディープラーニングによる機械学習モデルのトレーニング、アップデート、メンテナンスを常に実施するために、Metaは大規模な補強を必要としている。RSCはそれを実現する手段だ。

 「Metaに必要なのは、複数種類の機械学習モデルをトレーニングできる『AIスーパーコンピュータ』だ」とデケイト氏は言う。こうしたスーパーコンピュータは複数のニューラルネットワーク(入力データに対する出力結果を定義した機械学習モデル)のトレーニングが可能で、さまざまな用途に活用できる。

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