OracleとAWSの「常時無料枠」を比較 OCIにあってAWSにはない“あれ”とは?OCI無料プラン「Always Free」の活用法【前編】

クラウドベンダーは自社のクラウドサービスを開発者に試してもらうために、期間無制限で使える無料プランを用意している。OracleとAWSの無料プランの違いとは。

2022年04月19日 10時00分 公開
[Kurt MarkoTechTarget]

 クラウドベンダーは、できる限り多くの開発者に自社の製品やサービスのユーザーになってもらいたいと考えている。そのため開発者による自社クラウドサービスの採用を後押しするために、インセンティブとしてSDK(ソフトウェア開発キット)やクラウドサービスの期間限定の無料プランを提供している。こうした無料プランの一つとして、Oracleのクラウドサービス「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)の無料プラン「Always Free」がある。

 Always Freeをはじめとするクラウドサービスの無料プランを活用することで、開発者はクラウドサービスを利用する前にコストをかけずにテストできる。開発者が賢い選択をするためには、これらの無料プランや各クラウドサービスに関する詳細な知識が必要だ。

OracleとAWSの「常時無料枠」は“あれ”が違う

 幾つかのクラウドベンダーは、期間無制限のクラウドサービスの無料プランを提供している。Oracleは2021年6月に、OCIのAlways Freeの適用範囲を拡大させた。Always Freeによって、仮想マシン(VM)やデータベース、アプリケーション開発ツールなどのOCIサービスが期間の制限なく無料で利用できる。ただしAlways Freeは一定の機能制限を伴う。

 Amazon Web Service(AWS)が提供する期間無制限の無料プラン「Always free」(常に無料)には、イベント駆動の「AWS Lambda」やアプリケーション開発などのサービスが含まれている。ただし2022年4月時点で、VMサービスの「Amazon EC2」はAlways freeの対象外だ。

Oracle CloudのAlways Freeとは

 開発者はOCIのAlways Freeにより、基本的なクラウド活用の訓練のみならず、実用的なアプリケーションの構築を可能にするためのリソースを利用できる。OCIの期間無制限の無料プランであるAlways Freeには、IaaS(Infrastructure as a Service)やPaaS(Platform as a Service)など複数のサービスが含まれている。

 OracleはOCIの登録後30日間利用できる300ドル分の無料クレジットを付与している。無料クレジットを使うことで、ユーザー企業はAlways Freeよりも幅広い機能と、より多くのデータ容量を利用できるようになる。無料トライアルはAlways Freeと合わせて利用可能だ。

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