「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)は無料プランの「Always Free」を充実させている。「Always Free」の特徴と、大手ベンダーAWSの無料プランとの違いを説明する。
Oracleは同社のクラウドサービス群「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)の無料プラン「Oracle Cloud Free Tier」に、期間の制限なく無料で使用できるサービス「Always Free」を13種類追加した。無料サービスを充実させることで開発者を呼び込み、他のOCIサービスの利用へつなげるのが狙いだ。
2019年の提供当初は、Always Freeは仮想マシン(VM)やストレージ、Oracleの主力であるデータベースなどの基本サービスが中心だった。同社がAlways Free版を新しく追加したOCIサービスには、例えば以下がある。
Always Freeはサービスごとに利用できるリソース(ストレージ容量など)や利用できる機能などに制限を設けている。ただしOracleはAlways Freeの提供において、実用的なアプリケーションを開発するのに十分なリソースを利用可能にすることを目的としている。
例えばFree JSON Databaseは最大1つのOCPU(CPUのコア数を示すOracle独自の単位)と20GBのストレージを無料で提供し、Oracle APEXのAlways Free版は最大6ユーザーの同時使用を無料で許可する。アプリケーションログ管理サービス「Oracle Cloud Infrastructure Logging」(OCI Logging)のAlways Free版は10GBのストレージを月額無料で利用可能にしている。
OracleはAlways Freeの提供を通してOCIの市場シェアを拡大させ、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoftといった競合クラウドベンダーに対抗する狙いだ。AWSにも無料利用プランはあるが、「複雑で理解しづらく、想定外の利用料金の請求が発生する可能性もある」と、OCI開発者サービス担当シニアバイスプレジデントを務めるダン・ゲリティ氏は主張する。
「Always Freeには安全措置がある」とゲリティ氏は語る。Always Freeは有料リソースの使用を許可していないため「操作を間違えて想定外のコストがかかるといったことがない」と同氏は説明する。米TechTargetはAWSにコメントを求めたが、回答はなかった。
OCI普及のために、OracleはAlways Free以外の施策も進めている。同社はかつて、アプリケーションの開発方法に関して独自のガイダンスを提供していた。それを復活させて「モダンアプリケーションの開発方法を提示する」とゲリティ氏は語る。
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