Oracle Cloud Infrastructureの無料プラン「Always Free」とは【後編】
常に無料のOCI「Always Free」の注意点と、Oracle“大盤振る舞い”の狙いは
Oracleは「Oracle Cloud Infrastructure」をいつでも無料で利用できるサービス「Always Free」を充実させている。Always Freeを利用するときの注意点と、Oracleが無料プランの提供に積極的な理由を説明する。
Oracleのクラウドサービス群「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)は、期間の制限なく無料で利用できるサービス「Always Free」のラインアップを徐々に充実させている。ユーザー企業や開発者はAlways Freeを使い、モバイルアプリケーションやイベント駆動型アプリケーション、データベースアプリケーションなどを構築できる。
「Always Freeを利用することで、最新技術を活用したアプリケーションを無料で開発可能だ」と、OracleでOCI開発者サービス担当シニアバイスプレジデントを務めるダン・ゲリティ氏は語る。前編「常に無料のOCI『Always Free』の基礎 何が使える? AWS無料プランとの違いは?」に引き続き、Always Freeを利用するときの注意点と、Always Freeを提供する同社の狙いを説明する。
Always Freeの注意点と、Oracleが無料化に熱心な“あの狙い”
Always Freeは利用可能なリソース(ストレージ容量など)や機能に制約を設けていることに加え、1つのOCIリージョン(データセンター)しか利用できない制限がある。企業の経営に関わる重要なアプリケーションに不可欠な、耐障害性やフェイルオーバー(予備システムへの切り替え)構成は実装できない。こうした仕組みを必要とするユーザー企業がAlways FreeでPoC(概念実証)を作成した後、有償サービスにアップグレードしてアプリケーションのスケールアップやスケールアウトを実施するようになることがOracleの狙いだ。
ゲリティ氏によると、具体的なユーザー企業数は非公開だ。ただしAlways Freeの利用規模は2020年に大きく拡大したという。
無料利用プランを提供するベンダーはOracleだけではない
2021年時点のOCIはOracleのIaaS(Infrastructure as a Service)の第2世代で、同社が提供するSaaS(Software as a Service)のインフラとしても利用されている。同社が「Oracle Cloud Infrastructure Classic」(OCI-C)と呼ぶ第1世代は、クラウド市場で大きなシェアを獲得することはできなかった。
OCIもAWSやMicrosoft、Googleのクラウドサービスに後れを取っている。OracleはAlways Freeを通して主に開発者の人気を獲得し、クラウド市場でのシェア拡大につなげたい考えだ。
当然ながら他のクラウドベンダーも無料利用プランを提供し、利用拡大を図っている。調査会社Constellation Researchのアナリストを務めるホルガー・ミューラー氏は「どんな大手ベンダーであっても、新しいサービスの採用を促進するには無料利用プランを提供する必要がある」と話す。「開発者が新しいサービスを試したり、ユーザー企業が試作したアプリケーションを評価したりするには何を提供すればよいのかを、ベンダーは検討する必要がある」(同氏)
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[LRM株式会社] 「標的型攻撃メール」事例・サンプル集 -
製品資料
[LRM株式会社] セキュリティ教育はなぜ「年間計画」を立てる必要があるのか? -
製品資料
[LRM株式会社] セキュリティの重要性が伝わらない…… 効果がない社員教育から脱却する方法 -
製品資料
[LRM株式会社] 「標的型攻撃メール訓練」導入ガイド 社員の意識を確実に高める仕組みの作り方 -
事例
[株式会社マクニカ] アイカ工業に学ぶ脆弱性対策 情シスが把握できずにいたアセットも正確に把握
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
-
2
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
3
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
4
Oracle巨大ITプロジェクトはなぜつまずいたのか 8年で導入1割、追加で170億ドル
-
5
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
6
AI全部入り「Microsoft 365 E7」に企業が二の足を踏む訳 移行意向はわずか4%
-
7
ISMSの“コンサル丸投げ”が招く数千万円の無駄 NTTドコモビジネスの脱出劇
-
8
エンジニアが選考を辞退する本当の理由 7割が隠す“面接の違和感”とは
-
9
Netflixのバックエンドは「ほぼJava」 3000超のアプリを支える開発基盤の裏側
-
10
なぜOpenAIやAnthropicのAIは「脱走」したのか 情シスが迫られるエージェント統制
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
2
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
3
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
4
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
7
PostgreSQLの「機能」「性能」「運用」「拡張性」に関する悩みの解消法
-
8
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
9
Macの安全神話は崩壊? 最新の脅威動向から見えた攻撃のトレンドと有効な対策
-
10
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー