Snapが「Snapchat」に追加した生成AI機能「My AI」。OpenAIの「ChatGPT」をベースにしたMy AIに対して、専門家からデータの扱い方に関する懸念が上がっている。それは何なのか。
ショート動画共有サービス「Snapchat」を運営するSnapは、テキストを自動生成する人工知能(AI)技術であるジェネレーティブAI(生成AI)の機能「My AI」をSnapchatに追加した。My AIのベースになったのは、OpenAIの生成AIツール「ChatGPT」だ。実績のあるChatGPTをベースにしたMy AIに対して、好意的な評価を示す専門家がいる一方、データの扱い方に懸念を示す向きもある。どのような懸念があるのか。
「エンドユーザーがMy AIでやりとりしたチャットデータを、どのように利用するのかをSnapは明確にする必要がある」。調査会社Gartnerのアナリストであるバーン・エリオット氏は、こう主張する。
OpenAIは、ChatGPTでのチャットデータを30日間保持する。同社は製品の誤用パターンの調査やコンテンツの改善、不具合の修正に、こうしたチャットデータを利用するという。
Snapは2023年2月にMy AIを発表した際、同社はMy AIにおける全てのチャットデータを保存し、製品改善のために活用する可能性があることをSnapchatユーザーに警告。「My AIに秘密を打ち明けたり、個人的な悩みを相談したりしてはいけない」と注意を促した。
学生からビジネスパーソンまでSnapchatユーザーは幅広く、ITリテラシーもバラバラだ。My AIを利用してチャットをするSnapchatユーザーは、自分が発信した情報が誰かに見られる可能性があることを「必ずしも理解していない可能性がある」と、エリオット氏は指摘する。「利用時に適切な警告がないと、エンドユーザーは自分が生成AIツールに与えた情報が、何らかの目的で利用される可能性があることに気付かない」(同氏)
Snapは、My AIが「偏った情報や不正確な情報、誤解を招くような情報を避けるように設計した」と述べている。Snapchatユーザーは、My AIに関するフィードバックを同社に提供可能だ。
次回は、自社製品にChatGPTを組み込むベンダー各社の動向を整理する。
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