SSDの需要減を背景にしてストレージ市場では2022年後半から価格の下落が顕著になっていた。だが低調なストレージ市場に変化が見られる。SSDやNAND型フラッシュメモリの価格は元に戻ろうとしているのか。
ストレージ市場では2022年頃から、製品出荷が低調でNAND型フラッシュメモリやSSDの価格が下落するトレンドが顕著になっていた。ストレージベンダーにとって一時は採算が取れないと考えられる程度まで価格は下落していたが、その状況に変化の兆しがある。価格は通常通りに回帰するのか。
調査会社Objective Analysisゼネラルディレクター兼アナリストのジム・ハンディー氏によると、NAND型フラッシュメモリはしばらくの間、製造コストを下回る価格で販売されている状況だった。だが2023年11月頃からストレージの価格が上昇に転じ、ベンダーがストレージ製品の値下げから通常価格での販売にシフトしている傾向が見られるという。「特にNAND型フラッシュメモリの価格上昇がしている」とハンディー氏は説明する。
SSDの需要減少が浮き彫りになったのは、2022年後半からだった。その背景にある要因の一つは、テレワークからオフィス勤務に切り替える動きが広がったことだ。その結果として例えばインターネット接続の機会が減少し、インターネット接続に伴うデバイスやインフラの需要が抑制されることになった。
そうした中でストレージベンダーは、販売を活性化するためにNAND型フラッシュメモリの価格を引き下げたのだとハンディー氏は説明する。その反対に、NAND型フラッシュメモリの価格が上昇していることは、SSDの需要が回復しつつあることを意味する。「価格は妥当な水準まで上昇する可能性が高い」と同氏は話す。
調査会社TrendForceによると2023年第4四半期(10~12月)は、コントラクト市場(ベンダーとの正規の取引市場)におけるDRAM(Dynamic Random Access Memory)とNAND型フラッシュメモリの価格が上昇した。2022年半ばから下落していたNAND型フラッシュメモリの価格は、2023年第3四半期(7月~9月)から上昇に転じ、2023年第4四半期は、前四半期比で2.3%上昇した。ただし正常な状態に完全に戻るまでには、まだ時間がかかる可能性がある。
後編は、その他の製品分野の状況も含めて価格動向を探る。
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
HDDの容量が30TB超になると同時に、ストレージ技術はさまざまな進化を続けている。そうした中でもインタフェースに「SATA」(Serial ATA)を採用したHDDが変わらずに使われ続けている。なぜなのか。
カラオケ業界が直面するデータ増に対応すべく多くのストレージを試し続けた結果、4社27台の製品のメンテナンスに悩まされていたエクシング。この問題を解消すべく、同社は大容量かつコスト削減効果に優れた、新たなストレージを導入した。
メインフレームにおけるデータソート処理は、システム効率に大きく影響する。そこで、z/OSシステムおよびIBM Zメインフレーム上で稼働する、高パフォーマンスのソート/コピー/結合ソリューションを紹介する。
ECと通販システムを統合したパッケージの開発と導入を事業の柱とするエルテックスでは、事業の成長に伴いデータの容量を拡大する必要に迫られていた。そこでストレージを刷新してコスト削減や可用性の向上などさまざまな成果を得たという。
長年にわたり強力かつ安全な基盤であり続けてきたメインフレームシステム。しかし今では、クラウド戦略におけるボトルネックとなりつつある。ボトルネックの解消に向け、メインフレームを段階的にモダナイズするアプローチを解説する。
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。