仮想デスクトップの6つの利点【前編】
いまさら聞けない、物理PCではなく「仮想デスクトップ」を使う理由と方法
業務用のデスクトップ(コンピュータの操作画面)を提供する方法は幾つかある。そのうちの一つが、仮想デスクトップだ。ノートPCではなく仮想デスクトップを使用する利点とは。
「仮想デスクトップ」を利用すると、物理PCに搭載されたOSを利用するのとは異なる利点が得られる。IT管理者は従業員に物理PCを利用してもらう方が導入や管理が簡単だと考えがちだが、選択肢からすぐに仮想デスクトップを排除しない方がよい。
従業員に仮想デスクトップを提供するための幾つかの方法と合わせて、仮想デスクトップで得られる利点を紹介する。
仮想デスクトップを利用するための3つの方法
IT部門は仮想デスクトップの利用を開始するために、以下の幾つかの方法を選択できる。
- 仮想デスクトップインフラ(VDI)
- 社内のインフラで仮想デスクトップを運用する。自社でサーバを構築する必要がある。
- DaaS(Desktop as a Service)
- クラウドベンダーが管理する仮想デスクトップを、クラウドサービスとして利用する。VDIと比較して機能が限定される場合がある。
- ハイブリッド型デスクトップ仮想化
- VDIとDaaSを組み合わせる手法だ。特定のアプリケーションのみをVDIで実行し、他のアプリケーションはDaaSを利用する。
仮想デスクトップの利点とは
企業が仮想デスクトップを活用する主な利点は次の通り。
1.一元管理
デスクトップを一元管理できることは、デスクトップ仮想化の利点の一つだ。ローカルデスクトップの場合、更新プログラムを適用したり、新しいアプリケーションをダウンロードしたり、設定を変更したりするために、PCを1台ずつ再起動する必要がある。デスクトップ仮想化を使えば、このようなダウンタイム(システムが利用できなくなる時間)を少なくできる。IT部門はOSの更新やアプリケーションの設定変更の反映を、夜間や週末などの時間帯に自動で実行できる。
例えばある企業が新しい動画編集アプリケーションを仮想デスクトップに導入したい場合、IT部門が導入作業を担当する。そのアプリケーションを必要とする従業員が仮想デスクトップを利用していないタイミングで、IT部門はその従業員を含むユーザーグループの仮想デスクトップイメージを変更し、新しい仮想アプリケーションをインストールできる。アプリケーションを事前に仮想デスクトップで立ち上げて、実導入前にテストすることも可能だ。
2.拡張や新規ユーザーへの配備が容易
新しいノートPCやデスクトップPCを導入することは、以前ほど難しくはない。MDM(モバイルデバイス管理)ツールといった管理ツールを利用して、ゼロタッチ(従業員のデバイス導入時に必要なアプリケーションや設定をクラウド経由で自動配布する手法)でデバイスを支給する方法は、既に普及している。さらにさまざまなベンダーが、企業利用に適した設定済みのモバイルデバイスを提供している。しかし企業によっては仮想デスクトップを立ち上げて従業員に割り当てる方が、依然として容易だ。
ノートPCやデスクトップPCは、IT担当者またはエンドユーザーの従業員自身がデバイスへのOSのインストールや業務用アカウントへのログインを実施しなければならない。その後必要なアプリケーションが全てそろっていることや、所属企業の管理ツールと連携していることを確認する必要がある。仮想デスクトップの場合は、クライアントデバイスを準備するときに、エンドユーザーの認証資格情報でホストサーバと接続できるかどうかを確認するだけでよい。
仮想デスクトップを利用すれば、適切なバージョンのライセンスのOSを搭載した新しいPCを入手するために、PCの調達に時間をかける必要はない。DaaSを利用している場合は使用者の増減に合わせてIT部門がクラウドベンダーに連絡を取り、サブスクリプションプランを変更したり、ライセンス数を調整したりする必要がある。自社が所有するサーバとVDIで仮想デスクトップを実行している場合、IT部門は必要なサーバやストレージの容量を確保する必要がある。
後編は別の視点から、物理PCではなく仮想デスクトップを使う利点を紹介する。
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[LRM株式会社] 「標的型攻撃メール」事例・サンプル集 -
製品資料
[LRM株式会社] セキュリティ教育はなぜ「年間計画」を立てる必要があるのか? -
製品資料
[LRM株式会社] セキュリティの重要性が伝わらない…… 効果がない社員教育から脱却する方法 -
製品資料
[LRM株式会社] 「標的型攻撃メール訓練」導入ガイド 社員の意識を確実に高める仕組みの作り方 -
事例
[株式会社マクニカ] アイカ工業に学ぶ脆弱性対策 情シスが把握できずにいたアセットも正確に把握
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
-
2
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
3
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
4
Oracle巨大ITプロジェクトはなぜつまずいたのか 8年で導入1割、追加で170億ドル
-
5
AI全部入り「Microsoft 365 E7」に企業が二の足を踏む訳 移行意向はわずか4%
-
6
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
7
なぜOpenAIやAnthropicのAIは「脱走」したのか 情シスが迫られるエージェント統制
-
8
Netflixのバックエンドは「ほぼJava」 3000超のアプリを支える開発基盤の裏側
-
9
「技術屋」で終わらないために 情シスが今取るべき認定資格5選
-
10
「Windows派」「Linux派」を分ける決定的な違い
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
2
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
3
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
4
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
7
PostgreSQLの「機能」「性能」「運用」「拡張性」に関する悩みの解消法
-
8
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
9
Macの安全神話は崩壊? 最新の脅威動向から見えた攻撃のトレンドと有効な対策
-
10
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー