MicrosoftのクライアントOS「Windows 11」に、Windows 10までのWindowsを搭載するPCで移行できる条件とは何なのか。対象のPCが、Windows 11への移行が可能なのかどうかを確認しよう。
Microsoftは、クライアントOS「Windows 10」のサポート終了日を2025年10月14日に設定している。基本的にはその日までに「Windows 11」への移行が必要になる。Windows 10までの「Windows」を搭載する現行PCで、Windows 11に移行できる条件とは何なのか。実は、総じて厳しい条件ではない。対象のPCがWindows 11への移行が可能なのかどうかを以降で確認しよう。
Windows 11は、以下のプロセッサベンダーが提供する64bitCPU(64bit単位でデータを処理するCPU)を搭載したPCで動作する。
メモリとストレージの要件は以下の通り。これはそれほど厳しい要件ではない。
注意が必要な要件はこれだ。
IT資産管理ソフトウェアベンダーLansweeperが2023年3月に同社ブログで公開した調査結果によると、調査対象の約3300万台のPCのうち、Windows 11のCPU要件を満たしたPCは67.57%。32.43%は要件を満たしていなかった。同様にメモリ要件を満たしたPCは93.86%だった。TPM 2.0の要件を満たしたのは74.8%だった。
こうして一定割合のPCがWindows 11のシステム要件を満たしていない状況だが、企業は定期的にPCを入れ替えている。Windows 10にサポート終了日が来るまでには、上記の調査結果よりも多くのPCが最低限のシステム要件を満たすようになっていると考えられる。
調査会社Gartnerのリサーチディレクターであるランジット・アトワル氏は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)期間中にPCを一斉に入れ替える動きがあった点を指摘し、「2017年、2018年以前の古いPCは、大半がこの期間に置き換えられたはずだ」と語る。Windows 11はTPM 2.0が必須要件となるが、企業が新たに調達したPCのほとんどは、TPM 2.0準拠のセキュリティモジュールを搭載しているとみている。「TPM 2.0非準拠のデバイスがあったとしても、ほんのわずかだ」(アトワル氏)
一方で一部の企業は、Windows 11のシステム要件を満たしたPCを所有しているとしても、アップグレードの準備ができていないためにWindows 10を使い続けることを選択することもある。移行する際は、アプリケーションや周辺機器の互換性に問題がないかどうかにも注意が必要だが、これはそれほど大きな問題にはならないはずだ。
次回は、PCを入れ替える場合のデータ移行に関する問題を考える。
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