管理職になるエンジニアの心構え【前編】
「管理職はやっぱり無理……」 エンジニアを襲う“昇進うつ”の正体
管理職への登用は成長のチャンスだが、不安を伴う場合もある。新しい役割に自信を持てそうにないとき、その不安にどう向き合えばいいのか。
管理職への登用を打診されたら、あなたはその職務に適格な人材だと見なされている。それを引き受けたのであれば、自分でもその職務を遂行できると考えているはずだ。
一方で「コンフォートゾーン」(居心地がよい空間)から抜け出ることで、管理職への登用に不安を感じたり、自信を持てなくなったりすることがある。その場合、エンジニアは自分の気持ちとどのように向き合えばよいのか。
エンジニアを襲う“昇進うつ” その不安の正体
「管理職への昇進に多少の不安は付き物だ」。こう語るのは、ソフトウェアや機械学習(ML)のエンジニアでエンジニアのキャリアコンサルティングも務めるカルロス・ガルシア・フラド・スアレス氏だ。同氏は大手IT企業やスタートアップでエンジニアと管理職を務めた経験を持つ。
スアレス氏によれば、求められる職務の難易度が現在の力量よりも少し高いくらいの昇進が、自分を成長させるためには効果的だ。そうした昇進に不安を感じるのは「成長の兆しだ」と同氏は言う。
昇進を成功させるための心構えとは
ソフトウェアベンダーFlatiron Softwareのプレジデントを務めるキリムゲレー・キリムリ氏は、「これから昇進するエンジニアは、適切な心構えで積極的に成長を目指すべきだ」と語る。新しく昇進したエンジニアにキリムリ氏が勧めるのが、以下の取り組みだ。
- 昇進を個人的にも職業的に前進するための機会と捉える
- 明確な目標を定める
- 継続的に学ぶ
- コーチングやメンタリング(知識や経験のある技術者が未経験者を助言・指導すること)の機会を活用する
他者に助けを求める姿勢も大切だ。「同僚や上司からのフィードバックも能力を伸ばすチャンスになる」とキリムリ氏は語る。
「インポスター症候群」に打ち勝つ
エンジニアは、昇進への不安からインポスター症候群(客観的に高い評価を得ているにもかかわらず、自分を過小評価してしまう心理状態)に陥り、自分には昇進するために十分な能力が足りていないのではないかと考える場合がある。スアレス氏はそのような心理状態を「成長の兆候だ」と断言する。
インポスター症候群を克服するには「これまでの業務経験の中で、業務の進め方が分からなくなったときのことを思い出してみるとよい」とスアレス氏は話す。何をすればよいのか分からなくなってしまったものの、最終的には解決策を見つけて業務をやり遂げ、その経験から学んだことがあるはずだ。「そのような経験と比較した時、昇進は少し規模が大きいだけで、内容は似たようなものだ」と同氏は語る。
後編も引き続き、昇進に向けた心構えについて専門家の考えを紹介する。
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