VMwareのEUC事業は新会社Omnissaに引き継がれる形となった。UEMやVDIの事業は、Omnissaの配下でどうなるのか。明確になった点と、Omnissaに残された課題がある。
仮想化ベンダーVMwareを買収した半導体ベンダーBroadcomは、2024年2月に、投資会社のKKRにVMwareのエンドユーザーコンピューティング(EUC)部門を売却すると発表した。EUC部門の製品には、統合エンドポイント管理ツールの「VMware Workspace ONE」(以下、Workspace ONE)や、VDI(仮想デスクトップインフラ)製品の「VMware Horizon」(以下、Horizon)が含まれる。
その後、KKR傘下の事業会社Omnissaが新たに作られ、Broadcomとのリセラー契約によりVMwareのEUC事業を引き継ぐことになった。Omnissaは、EUC市場のリーダーとしての旧VMwareの地位を保てるのか。Workspace ONEやHorizonはどうなるのか。
Omnissaは、EUC市場のリーダーとしての旧VMwareの地位を保てるのか。幸いなことにエンドポイント管理ツール市場は拡大の余地があり、事業が成長する機会もある。種類の異なるデバイスを一括管理できる統合エンドポイント管理(UEM)を導入している企業はまだ限られており、デバイスの種類に応じて個別に管理する従来型のエンドポイント管理を利用している企業がまだ残っているからだ。
Broadcomは2024年2月、VMwareパートナープログラムを終了し、独自にパートナー企業を選定する選択をした。声を掛けられたパートナー企業の一部が旧EUC部門とつながりがあったことは間違いないが、それらのパートナー企業はBroadcomのパートナープログラムに参加しており、Omnissaのパートナー企業ではない。つまり、Omnissaは、パートナープログラムを再構築し、パートナー企業との関係修復の課題を果たすという厄介な仕事を抱えている。
Omnissaのパートナープログラムの詳細は現時点では不明だ。VMware時代のパートナープログラムが再始動する可能性がある。だが、パートナー企業側にも変化が起きている。
例えば、DaaS(Desktop as a Service)ベンダーのDizzionは2023年6月、NutanixからDaaSの「Nutanix Frame」を買収して事業を変化させている。
これらは、経営方針や戦略レベルの問題であり、戦術レベルの問題ははるかにたくさんある。例えば、VDI(仮想デスクトップインフラ)製品の「VMware Horizon」と、サーバ仮想化ソフトウェア「VMware vSphere」の統合だ。
Omnissaが生まれるのは喜ばしいことだが、解決すべきことがまだたくさんある。だが、それらを網羅することは本稿の目的ではない。今回の重要な情報は、VMware EUCがOmnissaとなること、Horizonのライセンスがほぼこれまで通り継続されることだ。これらのことが分かったのは、この半年間になかった大きな進展だ。
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