“VMwareの一部”をOmnissaが継承 見えてきた「UEM」「VDI」の未来とはVMwareから独立する事業の行方【後編】

VMwareのEUC事業は新会社Omnissaに引き継がれる形となった。UEMやVDIの事業は、Omnissaの配下でどうなるのか。明確になった点と、Omnissaに残された課題がある。

2024年09月02日 07時00分 公開
[Gabe KnuthTechTarget]

関連キーワード

VMware | VMware vSphere


 仮想化ベンダーVMwareを買収した半導体ベンダーBroadcomは、2024年2月に、投資会社のKKRにVMwareのエンドユーザーコンピューティング(EUC)部門を売却すると発表した。EUC部門の製品には、統合エンドポイント管理ツールの「VMware Workspace ONE」(以下、Workspace ONE)や、VDI(仮想デスクトップインフラ)製品の「VMware Horizon」(以下、Horizon)が含まれる。

 その後、KKR傘下の事業会社Omnissaが新たに作られ、Broadcomとのリセラー契約によりVMwareのEUC事業を引き継ぐことになった。Omnissaは、EUC市場のリーダーとしての旧VMwareの地位を保てるのか。Workspace ONEやHorizonはどうなるのか。

徐々に見えてきた旧VMware「UEM」「VDI」の未来とは

 Omnissaは、EUC市場のリーダーとしての旧VMwareの地位を保てるのか。幸いなことにエンドポイント管理ツール市場は拡大の余地があり、事業が成長する機会もある。種類の異なるデバイスを一括管理できる統合エンドポイント管理(UEM)を導入している企業はまだ限られており、デバイスの種類に応じて個別に管理する従来型のエンドポイント管理を利用している企業がまだ残っているからだ。

Omnissaはパートナー体制を再構築できるか

 Broadcomは2024年2月、VMwareパートナープログラムを終了し、独自にパートナー企業を選定する選択をした。声を掛けられたパートナー企業の一部が旧EUC部門とつながりがあったことは間違いないが、それらのパートナー企業はBroadcomのパートナープログラムに参加しており、Omnissaのパートナー企業ではない。つまり、Omnissaは、パートナープログラムを再構築し、パートナー企業との関係修復の課題を果たすという厄介な仕事を抱えている。

 Omnissaのパートナープログラムの詳細は現時点では不明だ。VMware時代のパートナープログラムが再始動する可能性がある。だが、パートナー企業側にも変化が起きている。

 例えば、DaaS(Desktop as a Service)ベンダーのDizzionは2023年6月、NutanixからDaaSの「Nutanix Frame」を買収して事業を変化させている。

 これらは、経営方針や戦略レベルの問題であり、戦術レベルの問題ははるかにたくさんある。例えば、VDI(仮想デスクトップインフラ)製品の「VMware Horizon」と、サーバ仮想化ソフトウェア「VMware vSphere」の統合だ。

 Omnissaが生まれるのは喜ばしいことだが、解決すべきことがまだたくさんある。だが、それらを網羅することは本稿の目的ではない。今回の重要な情報は、VMware EUCがOmnissaとなること、Horizonのライセンスがほぼこれまで通り継続されることだ。これらのことが分かったのは、この半年間になかった大きな進展だ。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

髫エ�ス�ス�ー鬨セ�ケ�つ€驛「譎擾スク蜴・�。驛「�ァ�ス�、驛「譎冗樟�ス�ス驛「譎「�ス�シ驛「譏懶スサ�」�ス�ス

技術文書・技術解説 ドキュサイン・ジャパン株式会社

導入が進む一方で不安も、電子署名は「契約の証拠」になる?

契約業務の効率化やコストの削減といった効果が期待できることから、多くの企業で「電子署名」の導入が進んでいる。一方で、訴訟問題へと発展した際に証拠として使えるのかといった疑問を抱き、導入を踏みとどまるケースもあるようだ。

プレミアムコンテンツ アイティメディア株式会社

VMware「永久ライセンス」を継続する“非公認”の方法

半導体ベンダーBroadcomは仮想化ベンダーVMwareを買収してから、VMware製品の永久ライセンスを廃止した。その永久ライセンスを継続する非公認の方法とは。

市場調査・トレンド 株式会社QTnet

業種別の利用状況から考察、日本企業に適したクラウドサービスの要件とは?

システム基盤をオンプレミスで運用するか、データセンターやクラウドで運用するかは、業種によって大きく異なる。調査結果を基に、活用の実態を探るとともに、最適なクラウドサービスを考察する。

製品資料 発注ナビ株式会社

商談につながるリードをなぜ獲得できない? 調査で知るSaaSマーケの課題と対策

SaaSサービスが普及する一方、製品の多様化に伴い、さまざまな課題が発生している。特にベンダー側では、「商談につながるリードを獲得できない」という悩みを抱える企業が多いようだ。調査結果を基に、その実態と解決策を探る。

製品資料 株式会社ハイレゾ

GPUのスペック不足を解消、生成AIやLLMの開発を加速する注目の選択肢とは?

生成AIの活用が広がり、LLMやマルチモーダルAIの開発が進む中で、高性能なGPUの確保に問題を抱えている企業は少なくない。GPUのスペック不足を解消するためには、どうすればよいのか。有力な選択肢を紹介する。

驛「譎冗函�趣スヲ驛「謨鳴€驛「譎「�ス�シ驛「�ァ�ス�ウ驛「譎「�ス�ウ驛「譎「�ソ�ス�趣スヲ驛「譎「�ソ�スPR

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

“VMwareの一部”をOmnissaが継承 見えてきた「UEM」「VDI」の未来とは:VMwareから独立する事業の行方【後編】 - TechTargetジャパン クラウド 髫エ�ス�ス�ー鬨セ�ケ�つ€鬮ォ�ェ陋滂ソス�ス�コ�ス�ス

TechTarget驛「�ァ�ス�ク驛「譎「�ス�」驛「譏懶スサ�」�趣スヲ 髫エ�ス�ス�ー鬨セ�ケ�つ€鬮ォ�ェ陋滂ソス�ス�コ�ス�ス

ITmedia マーケティング新着記事

news025.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。