ソフトウェア開発で使われるIT用語「DRY」「WET」は、ソースコードの品質を高める上で役に立つ指針だ。具体的にどう使われているのか、それぞれの意味や違いと併せて解説する。
ソフトウェア開発で使われるIT用語「DRY」「WET」は、ソースコードの保守性や信頼性を高めるための重要な概念として、開発者同士のコミュニケーションでよく使われる。それぞれの意味と実際の使い方を解説する。
DRYは「Don’t Repeat Yourself」の略称で、「繰り返すな」という意味。ソースコードの重複を避け、再利用性を高めるための指針として、開発のあらゆるフェーズで使われる。
例えば、コードレビューやペアプログラミングの場面で、同じソースコードが複数箇所で繰り返されている場合、「この部分、DRYにできるよ」と指摘できる。
WETは「Write Everything Twice」の略称で、「全てを2度書く」の意味。DRYの原則とは反対に、同じ処理やパターンが複数回繰り返される状況を示唆し、改善の必要性を指摘する場面で使用される。例えば、コードレビューで「この部分、DRYにするべきところがWETになっている」と指摘するといった具合だ。
ソースコードの重複を減らし、共通の処理を1箇所にまとめて再利用可能にする「抽象化」は、DRY原則を実践するための手法だ。しかし、コードベースの初期段階、つまり全体の設計がまだ固まっていない段階で抽象化を実施すると不完全になりやすく、後で問題を引き起こしやすい。
そのため一部のソフトウェアアーキテクトは、まずはWETを実践し、コードベースが確立してから抽象化を実施するよう勧めている。こうすることで、抽象化が上手く機能し、コードを再利用しやすくなる。
次回は、より良いソフトウェア開発を実現するために使われるIT用語を解説する。
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